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2023.10.24

米自動車労組のストがステランティス工場にも拡大、さらに6800人参加

Luigi Morris / Shutterstock.com

全米自動車労働組合(UAW)は23日、ステランティス工場にストライキを拡大、さらに6800人の労働者が加わった。UAWが賃上げと待遇改善を求めて大手3社との交渉を続けている中、約2週間ぶりにストライキが拡大したことになる。

デトロイト郊外にあるステランティスの組立工場で働く7000人近い労働者が23日、ストライキに参加し、同工場で生産されるピックアップトラックRAM1500の生産が停止した。

UAWによると、ステランティスが昇給、臨時労働者の賃金、生活費の調整に関して「最悪の提案をした」ことによりストライキの拡大を招いた。

ステランティスはフォーブスのコメント要請に応じていない。

UAWによると、現在ビッグ3(ステランティス、ゼネラル・モーターズ、フォード)のストライキに参加しているUAW組合員の数は4万人だ。

UAWのショーン・フェイン委員長が9月、自動車メーカーとの交渉で一定の進展を見せていると述べて以来、これはステランティスの工場における1カ月以上ぶりのストライキになった。

9月15日に始まったストライキの最初の数週間、フェインは毎週金曜日に特定の場所の自動車メーカーに対する標的型ストライキを発表した。毎週、異なる工場の労働者がストライキに参加し、自動車メーカーに組合の要求を満たすよう働きかけている。

組合が要求しているのは、毎年の生活費調整、4年契約で36%の賃上げ、従業員の年金給付などだ。ここ数日、GMとステランティスはフォードの提示額に匹敵する23%の賃上げを提示し、交渉は賃上げについて一定の前進を見せた。AP通信によると、20日にフォードは声明で、UAWの従業員は「長期化」したストライキのために苦しんでいると述べ、同社は交渉妥結を「熱望している」と述べている。

自動車メーカー3社はいずれも、歴史的な賃上げを実施し、組合の要求に対処していると主張している。ステランティスのスペアパーツ倉庫、ミシガン州、ケンタッキー州、イリノイ州にあるフォード工場、ミシガン州とミズーリ州にあるGMの2工場で働く労働者は、現在UAWの労働者がストライキを行なっている場所のリストに加わりつつある。

最近では、10月11日にケンタッキー州ルイビルのフォード・トラック工場の8700人の組合員がストライキに参加し、世界で最も収益性の高いフォードの工場を停止に追い込んだ。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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