海外PL保険の経験が豊富なグローバルサービスセンター兼ファイナンシャルサービスセンター マネージャーの徳中真理子に、そんなAIGならではの「疎通力」について聞いてみた。
※本記事はAIG損害保険による寄稿記事です
AIGが高い専門性を発揮しながら、お客さま、弁護士と共に戦略を策定する
海外で製品を販売している日本企業にとっての大きなリスクといえばやはり現地での「訴訟」ではないだろうか。海外で自社製品により対人・対物事故を発生させたとなれば、当然に損害賠償請求され、中には訴訟に至る事案もある。特にアメリカなどでは高額請求に発展する場合もあり、数十億円規模の評決が下されるケースも珍しくない。そんなグローバルリスクに頭を悩ます日本企業にとって心強い味方となっているのが、AIGの高い専門性だ。
海外PL保険は多くの損害保険会社が扱っている。その中で、AIGが選ばれる理由は何か。この分野のエキスパートである徳中は、AIGの海外PL保険ならではの「強み」をこう語る。
「私たちの強みは、お客さまと弁護士、そして私たちがそれぞれの見地から徹底的に協議し、問題解決にあたるところですね。決してお客さまと弁護士に任せきりにはしません。」
一般に海外PL保険では、訴訟となった場合、現地の弁護士が主導して問題解決にあたる。しかしAIGでは、現地の弁護士だけではなくAIGの担当者自身も細部までチェックの上、事案の戦略策定にしっかりと携わるカルチャーがある、と徳中は言う。
「例えば、訴訟においてお客さまの製品の安全性を主張するため、現地の弁護士が製品に関する情報を確認したくても、すべての資料は日本にあることが多い。そういった場合、現地の弁護士が必要としている情報を正確に且つその意図までお客さまに説明した上で収集して、その情報を現地の弁護士に英語で迅速に伝えなくてはいけません」
「それを私たちがお手伝いするのです。また私たち自身もプロとして情報を整理し、時には独自で追加情報収集に動きます。製品の安全性を訴訟で主張するためにどのような情報が必要か、現地の弁護士とお客さまと協議しながら対応するのです」
つまり、現地の弁護士とお客さまとの単なる仲介役ではなく、独立した専門的な見地から訴訟対応をサポートしているというのだ。現地の弁護士に対しても一切遠慮などしない。
「現地の弁護士との打ち合わせでも、お客さまの利益を守るために、積極的にお客さまからの情報を伝え、訴訟戦略について徹底的に質問や意見をさせてもらいます。例えば、アメリカの訴訟は、日本と違い膨大な情報の開示を証拠として求められます。現地の弁護士経由で共有された開示請求資料であっても盲目的にそれを信用するのではなく、私自身でも内容を精査します」
「どこまで提出すべきか、一部でも提出しない場合のリスクや提出しない抗弁は妥当かという点をAIGの担当者も独立した視点で検討し、弁護士やお客さまと徹底した議論を重ねた上で、チームとして判断していきます」
「多様な分野のプロ」が刺激し合うAIGのカルチャー
AIGの「疎通力」を語る徳中だが、以前は他の日系損保会社に在籍していた。企業賠償事故対応部門で経験を積むうちに、「海外PL保険」を扱うことの奥深さに魅せられていったという。「これはあくまで私個人の考えですが、海外PL保険の事故対応では、お客さまの製品についての『ストーリー』を、文化や常識が異なる海外でも正確に伝えることが重要だと思っています。被告となるお客さまにとって、その製品を市場のユーザーの手元に届けるまでには、開発した方々の開発意図や安全性に配慮した開発努力の『ストーリー』があります」
「私はその『ストーリー』を正しく伝えるお手伝いをするわけです。一方、原告側にも異なる『ストーリー』があるため、適切に対応するためには、毎回、お客さまの製品についてだけでなく、訴訟地の法律や慣習を勉強しなくてはいけません。そこに妥協はありません。そして、お客さまや弁護士と十分に協議し、一つのチームとしての信頼関係を構築して戦略を立てる。そういう難しさに、逆に大きなやりがいを感じます」
AIGで海外PL保険の担当者になった徳中がまず驚いたのは、事故対応に欠かせない情報の質の高さとスピードだった。
「グローバルネットワークがあるので、現地の生の情報が入手できます。また、現地で起きたことが、日本語に訳される前にリアルタイムで届けられるので、迅速に対応できます」
だが、何よりも驚いたのは、担当者が独立した視点で、弁護士やお客さまと肩を並べ事案対応に関与するカルチャーだ。それを可能にしているのが、社内の専門性の高さだ。社内でディスカッションすると、常に多角的なアドバイスや知見が得られるのだという。
「例えば、アメリカの事故対応で、私の中では現時点ではこの戦略がベストだと思うものがあったとします。でも、社内で意見を求めると、必ず他の選択肢の提案や検討すべきリスクの助言をもらいます。特定の分野の専門性や経験を磨いてきた人が多いので、社内のディスカッションで常に気づきがあるのです」
AIGの損害サービスは、高い専門性を発揮しながら、弁護士、お客さまと一丸となって問題解決にあたるところにある。それは、社内で徹底的に議論して得た知見を存分に活かし、弁護士とお客さまと密に協議しながら対応するAIG担当者が重んじる「疎通力」があってはじめて可能となるのだ。
そんなAIGの強みを生み出しているのは、徳中たちのような「多様な分野のプロ」が意見を出し合って、互いに刺激し合うAIGの組織カルチャーにあるのかもしれない。
徳中 真理子(とくなか・まりこ) ◎AIG損害保険株式会社 グローバルサービスセンター兼ファイナンシャルサービスセンター/マネージャー。CPCU(米国認定損害保険士)保有。2019年9⽉AIG損害保険株式会社⼊社。 前職の日系損保では資産運用部門経験の後、企業賠償事故対応部門で経験を積む。海外PL保険の事故対応に強みを持ち、先を読んだきめ細かい対応から、顧客やブローカーから⾼い評価と信頼を得ている。
AIG損保のグローバルリスクマネジメント
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