この研究では、GENUSの刺激が神経変性を遅らせていたことを示唆する有望な結果を得ることができたといえる。GENUSは光と聴覚からの刺激を同時に与えることで、認知能力を向上させるだけでなく、脳の構造変化を誘発し、脳の萎縮を妨げる働きをしたと考えらえる。
このテクノロジーがどのように機能しているのかについて、明らかになっているわけではない。ただ、マウスを使って行った初期の実験の結果では、40Hzの光と聴覚への刺激が神経細胞同士のコミュニケーションに影響を与え、それが加齢にともなう神経活動の変化を抑制し、こうした反応が起きた可能性があることを示唆する結果が得られている。
Cognito TherapeuticsはGENUSについて、アルツハイマー病以外の神経認知疾患の治療に対する安全性と有効性についても数件の臨床試験を行っている。また、GENUSはすでに米食品医薬品局(FDA)の「Breakthrough Device Designation(BDD:画期的医療機器指定)」を受けており、画期的な医療機器を迅速に提供するための優先審査の対象となっている。2025年までに承認される可能性もあるという。
患者が自宅で使用できるように設計され、パーソナライズすることが可能なGENUSは、より安価で、より利用しやすい治療法の1つとなるかもしれない。
(forbes.com 原文)