彼らはテレグラムやX(旧ツイッター)、TikTokなどのSNSサイトから襲撃の模様を収めた画像や動画を収集した。そして、アマゾンの顔認識アルゴリズムRekognitionを使って、これらのコンテンツをイスラエル政府の公式情報や行方不明者の家族から提供された写真のデータベースと比較した。
彼らは、約2週間をかけて約60人の行方不明者を特定し、他の5人の消息について新たな手がかりを入手した。その成果は、まだ救出には結びついていないが、イスラエル国家サイバー局の元副局長のレファエル・フランコが率いるこのプロジェクトは、イスラエル国防軍(IDF)に引き継がれ、有望視されている。
現在は、セキュリティ系のスタートアップCode Blue Cyberの共同創業者を務めるフランコは、政府がこのプロジェクトを継いだ理由を「民間人とは共有したくない多くの機密データ」を含むからだとフォーブスに語った。IDFによると、200人ものイスラエル人が行方不明、もしくはハマスに拘束されたという。
フランコによると、人工知能(AI)の専門家とセキュリティ関連のアナリストからなるボランティアチームは、ハマスが公表した人質の動画を分析し、彼らの位置を把握した。そして「サイバー作戦室」が、近隣のフェイスブックグループなどのそれらの場所に関連するSNSのアカウントを探し出し、画像や動画のスクレイピングを開始した。
フェイスブックなどの一部のサイトは、スクレイピングを許可していないため、手動で検索する必要があった。しかし、戦場の写真や動画を共有するための最も人気のアプリの1つとされるテレグラムは、スクレイピングが可能だとフランコは語った。
このイニシアチブの主なパートナーの一社は、設立3年のイスラエル企業のTagboxだ。同社は通常、AIアルゴリズムを使って画像や動画を分類し、企業向けに提供している。しかし、この2週間は、フランコの取り組みを支援し、アマゾンのレコグニションを通す前のコンテンツの関連性をフィルタリングする作業を手助けした。