スーパーGTの最速男、立川祐路が愛された理由

──今後の活動のプランについて、お聞かせいただけますか?

正直まだ何も考えていません。先ほども言いましたが(前編)、決してレースとか走ることが嫌いになって辞めるのではないですし、人生で唯一やってきたことなので、レース界から姿を消すわけではなく、今までの流れの中で自然に何かやっていくと思います。

急に解説者になったり、取材する側になったりとかも多分ないかなと。まずできないと思うし、やっぱり現場で戦っていくのではないかな。走ることも、これまでとは違う、楽しんでできる形でやってみたいなとは思います。

──サーキットで今後どのような形で活躍されるのか、ファンの皆さんも楽しみに待っていらっしゃると思います。最後に、立川さんにとって「スーパーGT」とは?

人生そのものです。スーパーGTのない自分は考えられないですし、なかったら今の自分はいなかった。

スーパーGTは、チーム、自動車メーカー、タイヤメーカー、部品メーカー、レースに関わる全ての人たちがそれぞれの威信をかけて戦い、たくさんのファンの皆さんが見に来てくれる「最高の舞台」です。

そんな中で最後を託されて、みんなの想いを背負って走るのは、プレッシャーもすごいですが、その分やりがいもあるし、勝てた時の喜びはとてつもなく大きい。もちろんそんな瞬間はめったになくて、つらくて苦しいことのほうが断然多いんですけど、それでも続けてきたのは、やっぱり好きなんでしょうね。 

そんな舞台で戦ってこられた自分は本当に幸せでしたし、感謝の気持ちでいっぱいです。まずはとにかく最後のレース、この想いを込めて、全力で走りたいです。
立川祐路選手


立川祐路(たちかわゆうじ)◎1975年7月5日生まれ、神奈川県出身。16歳でカートを始め、1993年に地方カート選手権でシリーズチャンピオンを獲得して、翌年エルフフォーミュラ・キャンパス(フランス)に参加しシリーズ4位。95年に帰国後、フォーミュラ・トヨタ西日本でタイトルを獲得して全日本F3選手権にステップアップし、98年から2009年まで国内トップフォーミュラであるフォーミュラ・ニッポン/スーパーフォーミュラに参戦。また、98年に全日本ツーリングカー選手権、そして全日本GT選手権/SUPER GTに99年から今シーズン(2023年)までレギュラー参戦。歴代2位タイの3度のシリーズチャンピオンに歴代2位の19回の優勝、歴代最多記録の24回のポールポジションを獲得している。
立川祐路選手

写真=GTアソシエイション 編集=宇藤智子

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