新しいフードロス対策は売れ残り食品のライブ配信

プレスリリースより

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岡山大学は、大型スーパーやデパートの食品売場の写真をライブ配信して、売れ残ってお買い得になった商品をアピールするフードロス削減の取り組みを行っている。その名も「のこり福キャンペーン」。食品棚の写真をスマホに配信して、利用者を「あ、買いに行こう」という気にさせる。そんなきわめてシンプルな対策で、50パーセント以上のフードロス削減効果があるという。

岡山県では、2019年のフードロス発生量が12.7万トン。そのうち食品小売業から出たものが1.1万トンにものぼった。そこで、岡山大学低炭素・廃棄物循環研究センター、岡山大学校友会のデータサイエンス部および環境部ECOLOの3者が協力して「のこり福キャンペーン」を企画。2022年10月の1カ月間、この主旨に賛同してくれる岡山市内の店舗で実施した。実施にあたり専用アプリを開発し、協力店舗の食品売り場には配信用のカメラを設置した。

アプリでは、各店舗のお刺身や惣菜など、その日に売り切らなければならない商品の食品棚の写真が5分ごとに更新される。写真をクローズアップすれば価格を見たり、割引シールが貼られた商品の確認なども可能だ。一部店舗ではアプリでクーポンが発行され、これを使うと売り上げの一部がNPO法人フードバンク岡山に寄付される仕組みになっている。ネット通販ではないので店に足を運ぶ必要があるが、昨年のキャンペーンでは、前年比で21〜56パーセントのフードロス削減効果を達成した。

今回で2回目の「のこり福キャンペーン Part2」は、10月1日から31日まで実施される。参加店舗は、おかやまコープ大野辻店、フレスタ津島店、天満屋岡山本店、天満屋ハピーズ津島店、岡山大学生協ピオーネショップ、岡山大学生協ブックストアの6店。割引が実施される夕方から配信を行う店舗もある。

このキャンペーンでは、同時に、棚の手前に置かれた賞味期限が迫っている商品から買おうという「てまえどり」の啓発も行う。キャンペーン終了後は、利用実績データからフードロスや温室効果ガスの削減効果の検証が行われるということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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