アップルの時事番組が突如終了、司会者とアップルで「中国とAI」に対する相違

ジョン・スチュワート(Photo by Nina Westervelt/Variety via Getty Images)

ジョン・スチュワート(Photo by Nina Westervelt/Variety via Getty Images)

アップルがストリーミングサービスApple TV+で配信中の時事問題番組『The Problem with ジョン・スチュワート』の制作が突如打ち切りになり、わずか2シーズンで終了したことが10月19日に報じられた。

深夜のトーク番組『ザ・デイリー・ショー』で活躍した著名司会者のジョン・スチュワートを起用したこの番組は、ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、中国と人工知能(AI)をテーマにした番組の内容に対してアップルとの間にクリエイティブに関する相違があったとして、打ち切りが決まったとされる。

番組スタッフは、第3シーズンの収録開始の直前の19日に、打ち切りの通知を受けたという。ハリウッド・レポーターによると、アップルは司会者のスチュワートに対し、番組のトピックに関してはお互いが「足並みをそろえる」必要があると伝えたが、スチュワートは番組を離れることになったという。

分析会社Antennaのデータによると、9月時点でApple TV+の米国での契約者数は、一部の配信事業者との契約を除いて1980万人を超えている。

NYTは、アップルがエンターテインメントに進出することで、ブランドが巻き添えを食らい、高価なiPhoneやiPadを購入する多様な顧客との関係が疎遠になるリスクが高まっていると報じた。スチュワートがこの番組で行ったように、時事問題に踏み込むことは、保守派がディズニーに反旗を翻したり、リベラル派が銃の持ち込みに関する懸念からスターバックスに抗議するなど、他の大企業が直面してきたような政治的・地政学的論争の中心にアップルを置くことになりかねないと、同紙は述べている。

アップルはフォーブスのコメント要請に即座に応じなかった。

2021年に配信が始まった『The Problem with ジョン・スチュワート』はこれまで2シーズン配信され、エミー賞5部門にノミネートされた。同番組は第1シーズンで毎週エピソードを公開していたが、ここ最近は隔週公開に切り替えていた。スチュワートは2020年にアップルと複数年契約を結び、毎回1テーマのエピソードで時事問題を扱うこのシリーズを担当した。

彼は、それ以前は『The Daily Show』の司会を15年以上務めたことで知られ、政治やポップカルチャーなどに対する批判的かつコミカルなコメントで数百万人の視聴者を魅了していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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