この研究は、オウムが固有の声紋を持っているという、一定の証拠を提供するものであり「このため、鳥たちは何をしゃべっているかに関わらず、互いを認識することができるのです」とスミールは話した。
「真の声紋について語るためには、今以上に多くの個体のデータを使って訓練された後でも、モデルが結果を再現できること、そして鳥たちがこの音色を認識できることを、確認する必要があります」とスミールは慎重に指摘し、より総合的なデータとさらなる検証の必要性を強調した。
スミールはすでに生態学の研究を開始し、オウムをGPSでタグづけして、その動きや社会的交流を分類しようとしている。
オキナインコが本当に固有の声紋を持っているのであれば、オウム類がなぜ万能の声を持ち、社会的結束を維持しているのかという謎を解くことができるかもしれないとスミールは考えている。
「この発見をきっかけに、イルカやコウモリなどの、発声を柔軟に変化させられる他の社会的な動物の声紋の研究が進むことを期待しています」
出典:Simeon Q. Smeele, Juan Carlos Senar, Lucy M. Aplin and Mary Brooke McElreath (2023). Evidence for vocal signatures and voice-prints in a wild parrot, Royal Society Open Science 10(10):230835 | doi:10.1098/rsos.230835
(forbes.com 原文)