レストランを「サービスを受ける側から値踏みする」指標やシステムは、ミシュランをはじめいくらでもある。しかし、「店側もまたわれわれ客を値踏みしている」ことは、とかく忘れがちだ。
実は高級店であればこそ、店は毎晩の客を見ている。レストラン業界に「ソワニエ(大切にもてなすべき客)」という言葉があるのは、その証左のひとつでもあろう。
ビジネスパーソンとしては、会食相手・接待相手がそれなりのレストランの客として場数を踏んだ人物である場合、「店からサービスを受ける自分がその会食相手に値踏みされる」機会でもあるだろう。
ここでは、
高級レストランで店から「一流の客」と囁かれる52のマナー:着席までに続き、人気グルメブログ「
タケマシュラン」から以下、「一流の客」と評価されるために備えておきたい52のマナーを数回に分けて転載、紹介する。
むろん、ここに書かれていることだけが正解ではないだろう。しかし筆者も「強制力は無いが価値がある」マナーブックを構築したいと書いているように、ここでいったん「答え合わせ」をしてみるのも悪くない。われわれの「今の、これまでの」マナーはどこが間違えていたのか?──懐刀としての実用教養情報として今夜の、来週の会食に応用してはいかがか。
(
前記事:「高級レストランで店側に『一流の客』と噂される52のマナー:着席まで」より、続き)
10.テーブルの上にケータイを置くな
これは女性に最も多い減点ポイント。テーブルの上にケータイなど私物を置いてはいけません。そもそもテーブルとは皿の延長であり(パン皿が無い店はクロスの上に直接パンを置く)、皿の上にバイキンまみれのケータイを置くなど愚の骨頂です。
11.椅子の背もたれは装飾である
背筋は椅子の座面に直角でお願いします。背もたれはありますが、あれには決してもたれかからないようにしましょう。男性の場合、少し浅めに座ったほうが背筋が伸び、両足で地面を踏ん張り易いことでしょう。決してラクな姿勢ではありませんが、エレガントに魅せるためのトレーニングだと思って頑張ってください。
12.肘をつくな、ただし手はテーブルの上に置け
食事中に肘をついてはならないことは日本の小学校でも習います。ここではもう一歩踏み込んで、手は手首より上をテーブルの上に乗せるようにしておきましょう。理由は「テーブルの下に武器を隠し持っていませんよ」とアピールするためです。こちらも昔の名残りで現代では非合理的な決まりですが、そういうものだと割り切りましょう。