マスクは18日の決算説明会で「これは素晴らしい製品だが、量産化と黒字化に向けては莫大な困難が伴うことを強調しておきたい」と言明。「この車は、当社の過去最高の製品になる可能性があるが、十分な生産ボリュームを実現し、キャッシュフローをプラスにするためには、膨大な労力が必要だ」と述べた。
サイバートラックの2024年の販売台数目標については明言を避けたが、2025年には年間25万台に達する可能性があると予測した。
マスクは2019年11月の発表イベントで、この車両を2021年までに発売し、基本価格は3万9900ドル程度に抑えると説明していた。販売価格は今も未公表だが、業界アナリストはマスクが当初に述べた価格よりもはるかに高くなると予想している。
マスクは、この車両に対する需要が「桁外れ」であり、100万人以上の購入希望者が100ドルを支払って予約したと述べている。しかし、そのうちの何人が実際に購入するかは不明だ。
テスラがピックアップ市場に乗り込むのは、このセグメントが自動車業界で最大かつ最も収益性の高いものだからだ。しかし、EVトラックにおいて同社はパイオニアではない。数十年にわたりこの市場を支配してきたフォードは、テスラに先駆けてバッテリー駆動のF-150ライトニングを5万4995ドルで発売した。
GMも5万2000ドルの電動シボレー・シルバラードを発売。ステランティスは、1回の充電で最大500マイル(約800km)の航続距離を約束する5万8000ドルのRAM 1500 REVの販売準備を進めている。さらに、一風変わった車を求める顧客は、新興企業リビアンの電動ピックアップR1Tを選ぶことも可能だ。リビアンはこの車両を、アウトドアで使えるスポーティなモデルだと宣伝している。
テスラが18日に発表した第3四半期(7~9月)決算は予想を下回る内容だった。同期の売上高は234億ドル(約3兆5000億円)で、市場予想の242億ドルを下回り、1株当たり利益も0.66ドルと、予想の0.72ドルを下回った。売上高は前年同期比9%増で、2020年第2四半期以降で最も低い伸びとなった。
(forbes.com 原文)