中国のスパイによる「知的財産窃盗」は重大な脅威、米英など5カ国が共同声明

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英語圏の5カ国で機密情報を共有する枠組みの「ファイブアイズ」は10月17日、中国のスパイ活動が世界の企業活動に与える脅威について警告した。

米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの当局者らは、中国が世界中のイノベーションにもたらす「前例のない脅威」について警告した。彼らは、中国のスパイがこれまでにない巧妙な試みによって西側諸国の知的財産を盗み、自国の技術力と軍事力を高めようとしていると指摘した。

「彼らの攻撃は特に、人工知能(AI)や量子コンピューティング、合成生物学などの先端テクノロジー分野を標的としている。私たち全員がこの脅威を認識し、対処する必要がある」と、英情報局保安部(MI5)のケン・マッカラム局長は述べた。

英国では、2万人以上の人々が企業秘密を盗もうとする中国の諜報員からリンクトインでアプローチを受けており、中国企業は英国の大学からデータを盗んだとみられるとマッカラム局長は主張した。

5カ国は共同で、標準的なセキュリティ手順に基づく「安全なイノベーションの原則」を発表した

「我々はこれらの脅威を真剣に受け止め、サイバー空間から発生するものも含め、リスクを効果的に管理せねばならない」と英国の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)のリンディ・キャメロンCEOは述べた。

オーストラリアでは最近、中国が機密情報を盗む目的で研究機関に学者を送り込んだとみられていると同国の安全保障情報機構(ASIO)のマイク・バージェス長官は指摘した。

ファイブアイズ諸国は今年5月、中国政府の支援を受けたVolt Typhoon(ボルト・タイフーン)と呼ばれるハッカー集団が米国の重要インフラをスパイし、世界中で同様の手口を使っている可能性があると警告した。

米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官はこの会議で、中国のスパイ活動に関連するFBIの捜査が現在2000件を超えていると説明した。

「中国は長年、インターネットを介した侵入や人的なスパイ活動、一見無害に見える企業への投資や取引などの手法で各国の企業を標的にしてきた。その行為の1つ1つがより大胆に、より危険になっている」とレイ長官は指摘した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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