研究チームは各レーダー基地について、どの時点でも各基地で磁場がどのくらい乱れているかがわかるように、固有の擾乱指数を作成した。次にこのデータを、局地的な渡り鳥の移動量と、鳥の飛行高度に関連づけた。
鳥の種類を区別することはできないが、基本的には夜間にレーダー基地上空を渡り移動している何らかの鳥類からの信号を受け取っていると、ガルソン・カスティーヨは話した。
研究の主な要点
渡り鳥に悪影響がおよぶ地磁気変化の閾値は500nT(ナノテスラ)前後であることを、研究チームは明らかにした。これは大規模な地磁気擾乱と考えられる。「今回の研究ではさらに、11年の太陽活動周期といった地球の磁場への長期的な影響もまた、鳥の渡り行動に影響を与えるかもしれないことが示唆されている。太陽周期は、地磁気擾乱の発生頻度に影響する」と論文の執筆者らは記している。
だが、すべての鳥が飛行できなくなる状況は一度もなかった。すなわち、渡りをする鳥は依然として存在していたと、ガルソン・カスティーヨは指摘した。
とても小さな鳴き鳥のナビゲーション能力が、宇宙天気や太陽活動に影響されるという事実に、人間は地磁気を生理的に感知する能力がないのだからとりわけ、ガルソン・カスティーヨは非常に驚嘆している。
私たち人間が感知できない何かが、大陸規模で鳥に影響を及ぼしているのは驚くべきことだとガルソン・カスティーヨは話している。
(forbes.com 原文)