このラウンドには、既存投資家のインドのベンチャーキャピタルMayfield Indiaらが参加し、新規投資家としてCelesta CapitalやRocketship.vc、Artha Select Fundらが参加した。今回の調達により、創業6年のアグニクル社の累計調達額は4000万ドルに達した。同社は最新の評価額を開示していない。
Celesta Capitalのマネージングパートナーであるアルン・クマールは声明で「我々は、宇宙産業の近代化と民主化を目指す彼らの先駆的なビジョンと革新的なアプローチを支援できることに興奮している」と述べた。
2017年に設立され、インドのチェンナイを拠点とするアグニクルは、高度700キロメートルまでの低い軌道に最大100~300キログラムの貨物を運ぶ人工衛星の打ち上げ支援ロケット「Agnibaan」の製造に取り組んでいる。このロケットは、3Dプリンターを使って一体造形したエンジンを搭載している。
アグニクルは新たな資金を、最初の商業ロケットの打ち上げや採用に充てるとしている。同社は、インド南東部スリハリコタのサティシュダワン宇宙センターに専用発射台を確保しており、年内に初の打ち上げを実施する予定という。
アグニクルの共同創業者でCEOのSrinath Ravichandranは、インドの最近の月探査ミッションの成功が「すべてのインド人と宇宙セクター全体のセンチメントを高めた」と評価している。インドの宇宙機関は8月にチャンドラヤーン3号を月の南極地域に着陸させ、インドは米国、旧ソ連、中国に次いで月に着陸した4番目の国となった。
「インドの宇宙産業は現在、エキサイティングな成長軌道にあり、今後の世界の宇宙探査や衛星サービスに大きく貢献すると考えている」と、Ravichandranはコメントした。
インドでは現在190社のスペーステックの新興企業が登録されており、その中には、6月に3600万ドルを調達した地球画像処理テクノロジーのPixxelや、昨年9月に5100万ドルを調達した商用打ち上げサービスプロバイダーのSkyroot Aerospaceなどが含まれる。また、第1回のForbes Asia 100 to Watchに選出されたBellatrix Aerospaceも、BASFベンチャーキャピタルからの調達に向けて交渉中と報じられている。
(forbes.com 原文)