インドの最高裁判所は17日、同性婚については議会に決定権があるとし、合法化を認めない判決を下した。一方で、LGBTなど性的少数者にはパートナーを選ぶ権利があり、性的指向や性自認によって差別されるべきではないとした。
最高裁の判事5人は、婚姻は「基本的権利」には含まれないとの見解で一致。同性婚を認めない現行法は無効だとした原告の訴えを退けた。
また、同性カップルによる養子縁組についても、現行法では認められていないとして、反対3、賛成2で棄却。
同性カップルに結婚に準じた権利を認める「シビル・ユニオン」については、性的少数者にはパートナーを選ぶ権利や同居生活を送る権利があるものの、「法律がない状態でシビル・ユニオンは認められない」として、反対3、賛成2で棄却した。
一方、「異性関係にある」トランスジェンダーの人々には現行法の下で結婚する権利があるとの判決を下した。
最高裁は政府に対し、クィア(性的少数者の総称)の人々が直面する問題を調査する委員会を設置するよう命令。同性婚は「都会的でエリート主義的な概念」であるという政府の主張を退け、「クィアであることを主張できるのは、ホワイトカラーの仕事をし英語を話す男性だけでなく、村で農作業をしている女性も同じだ」と指摘した。
インドでは2018年、同性間の性行為を違法としていた植民地時代の法律が、最高裁の判決により無効とされた。だが同性婚については、ナレンドラ・モディ政権が「夫、妻、子どもというインドの家族単位の概念」に反するとして、合法化に断固反対している。
アジアでは現在、台湾のみで同性婚が認められている。
(forbes.com 原文)