企業向けコンサルティングや人材育成を行うNEWONE(ニューワン)は、2023年度入社の新入社員593人を対象に「配属後のパフォーマンスに影響を与える要素は何か」と題したアンケート調査を行った。それによると、配属先で高い能力を発揮できる人が重視しているのは、「相手視線で行動する意識」(27.3パーセント)や「主体性を発揮する意識」(25パーセント)だった。一方、能力を発揮できていない人の多くは、「基本行動(ビジネスマナーの徹底)」(39.4パーセント)を重視していた。
また、配属前と後の「人事のかかわり」に満足度が高い新入社員ほど、現在の仕事、職場環境、パフォーマンスの発揮具合の満足度が高いこともわかった。仕事の満足度が「大変満足している」人は、62.4パーセントが人事のかかわりに「大変満足」している。職場環境に「大変満足」している人も58.4パーセントが人事のかかわりに「大変満足」と答えている。期待される役割に対して十分なパフォーマンスを発揮できていると答えた人の52.4パーセントも人事のかかわりに「大変満足」していた。つまり、人事の対応も、新入社員のやる気と能力を引き出すうえで非常に重要ということだ。人事の手厚いかかわりによって組織への愛着が向上し、「環境や人事に不満を持たないスタンス(自責思考)」が身につくとNEWONEは分析している。
さらに、入社後に行われる導入研修の満足度を調べたところ、それほど大きな差は見られないものの、企業の事業内容や仕事内容を入社動機としていた社員は高く、働き方や職場環境、ネームバリュー、給与、福利厚生が動機だった社員は低いという結果が出た。仕事に意欲的な社員は研修内容をレベルアップの機会ととらえ、そうでない人たちには響かないということだろう。したがって、研修内容が社員育成に役立っているかどうかは、入社動機で差が出る満足度では正しく測れないということだ。
これらの結果から、事業内容、仕事内容以外の動機で入社した人たちに満足して実力を発揮してもらうには、相手視線と主体性で行動するよう導く研修と人事の働きかけが重要だとわかる。慣習的な新人研修の「やりっぱなし」からの脱却をNEWONEは訴えている。
プレスリリース