テクノロジー

2023.10.18 10:00

GM、車載ソフトをオープンソース化 「ソフトウエア定義車両」開発促進

一方で、マイナス面もある。世界には大手自動車メーカーが数多く存在し、各社が独自のAPIを提供した場合、サプライヤーやサードパーティの開発者は、車種ごとにコードを書き直さなければならないが、そのためのリソースを持っていない開発者が大半だ。モバイルデバイス業界でこのような事態が生じた結果、Windows PhoneをはじめとするAndroidやiOSの競合プラットフォームは競争に敗れ去った。

自動車業界はこのリスクを認識しており、GMはUltifiの主要なAPIの定義を「uServices」としてオープンソース化した。同社は、コード自体を公開するのではなく、APIの関数名とデータ構造を公開する。各メーカーは、独自プラットフォームの開発を続けることができるが、カメラやレーダーセンサーから信号を読み取る上で、独自の関数名とデータ構造を持つことに競争上の優位性はない。

サプライヤーにとって大きなメリットに

この方法により、ZFやコンチネンタル、デンソーなどのサプライヤーは、ソフトウエアプラットフォームにかかわらず、APIコールが共通のアプリケーションを開発し、ドライバーアシストなどの機能を提供することが可能になる。また、新規の開発者は、これらの公開APIを使用して新しい機能を開発すれば、自動車メーカーが顧客向けに提供するか選択できるようになる。

COVESAは、多くの自動車メーカーやサプライヤーがメンバーとなっている、業界横断の団体だ。オープンAPIライブラリやメンバーが貢献したコードは、COVESAが管理している。GMは、一部のAPIを自社利用のために引き続き非公開とするが、一般的なAPIは誰でも利用できるようにする。

他の自動車メーカーや、ブラックベリー、エレクトロビット、ボッシュなどのプラットフォームベンダーがuServices APIを使用すれば、サプライヤーは顧客が認識していないようなパーツをいじる手間を省くことができ、ユニークな顧客体験を創造することに集中できるようになる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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