しかし、彼が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの株式ポートフォリオを分析した新たな調査によって、同社の今年最もパフォーマンスの良かった投資先が、ビットコインと暗号資産に親和的なブラジルのNubank(ヌーバンク)であることが明らかになった。
バークシャーは2021年6月、IPO(新規株式公開)を控えていたヌーバンクに5億ドルを投資し、IPOに際してさらに2億5000万ドルを投資していた。同社のヌーバンクの持ち分は現在、約8億4000万ドル(約1260億円)の価値があるとみられている。
ヌーバンクは、顧客にビットコインやその他の暗号資産の取引サービスを提供し、今年初めには独自の暗号資産のnucoin(ヌーコイン)を発行。収益と顧客数が急増する中、同行の株価は年初から93%上昇した。
ビジネス・インサイダーの10月12日の記事によると、ヌーバンクの株式パフォーマンスは、バークシャーの他の保有銘柄(アマゾン、アップル、コカ・コーラ、バンク・オブ・アメリカ、クラフト・ハインツなど)を上回っている。
アマゾンとアップルの株価は、年初からそれぞれ57%と39%上昇したが、コカ・コーラやバンク・オブ・アメリカ、クラフト・ハインツの株価はそれぞれ、14%、17%、18%の下落となっている。
一方、バフェットは今年4月のCNBCとのインタビューで、ビットコインを「ギャンブルトークン」と断じ、「ビットコインには本質的な価値がない。しかし、ルーレットを回したいと思う人が居るのは止むを得ないことだ」と語っていた。
バフェットは以前からビットコインを批判しており、過去にはビットコインを「殺鼠剤を2乗したようなもの」と呼んでいた。
2022年のバークシャー年次株主総会では「誰かから、世界中のビットコインを25ドルで売ると言われても、私は受け取らないだろう」と断言。「来年、あるいは5年後、10年後に上がるか下がるかは分からない。しかし、確かなことは、ビットコインが何も生み出さないということだ」と述べていた。
バフェットの右腕としてバークシャーで指揮をとるチャーリー・マンガーもビットコインを激しく批判しており、今月にはZoomの「Zoomtopiaカンファレンス」で、「私が今まで見た中で最も愚かな投資だ」と発言したとフォーチュン誌は報じている。
(forbes.com 原文)