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2023.10.15 12:00

イスラエルのメルカバMk.4はどの戦車よりもドローン攻撃に強い

戦車への上空からの攻撃がいかに効果的かを身を持って知ったイスラエルは、1980年初めから砲塔上部に装甲を追加した。戦車メーカーのマンタックは、飛んでくるミサイルや大砲から戦車を守ることを意図していた。だが、この追加装甲はドローンに対しても有効なはずだ。

Mk.4は最も防御力の高いメルカバだ。現在、400両のMk.4がイスラエル軍の旅団に配備され、これとは別に数百両が予備として保管されている。いくつかの設計上の特徴により、空からの攻撃に強い。マンタックは装填手のためのハッチをなくし、車長のハッチ周辺の装甲を厚くした。

砲塔の出入り口をなくしたことは問題ではない。メルカバは西側スタイルの戦車の中では珍しくエンジンが前部に搭載され、車体後部に乗員スペースがある。そして後部にあるハッチから乗員4人と歩兵らはメルカバに乗り降りできる。

どんな戦車の設計も火力や防御力、機動性のどこかで妥協している。イスラエル軍は砲塔装甲を追加することを選択し、1500馬力のエンジンの通常より低い出力重量比を受け入れた。メルカバの上部に装甲を追加するには、機動性を低下させるしかなかった。

だがメルカバの前部を上から攻撃しても、せいぜいエンジンを破壊して動けなくするくらいだ。砲塔後部のバッスルを攻撃すると、そこに保管されている弾薬に引火する傾向がある。しかしそれに続く二次爆発は、乗員のいる砲塔の内部ではなく外部で起こるようになっている。

つまり、メルカバは他の戦車よりもドローンによる空からの攻撃に強い。もちろん無敵ではないが、メルカバへのドローン攻撃は、戦車と乗員の両方にダメージを加えるよりも、戦車を動けなくして乗員を生き延びさせる可能性の方がはるかに高い。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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