資産運用

2023.10.15 10:00

投資ポートフォリオの現状がわかる「見過ごされがち」な3つの数字

安井克至

2. 手数料

あなたは、投資顧問にどれだけのお金を払っているだろうか? 所有するそれぞれのファンドについて、経費が占める割合はどれほどだろう? また、あなたのポートフォリオ全体について、加重平均で計算した経費の比率はどの程度だろうか? これらの質問に答えられないのなら、手数料や経費の追跡を行なう必要があるだろう。

私のいうことが信じられないのなら、ウォーレン・バフェットの金言に耳を傾けるといい。「投資において、コストは非常に重要だ。リターンが投資額の7~8%になるとみられる投資で、1%の手数料を支払っているのなら、退職時に得られる金額にはとてつもない差がついてしまうはずだ」とバフェットは述べている。

では具体的に、どれほど大きな差がつくのだろうか?

前述のツール「Empower」を用いれば、1%の手数料の影響を確認できる。その差は決してわずかな額ではない。

3. 資産配分

あなたは、株式と債券、それぞれにどの程度投資しているだろうか? 外国資産へのエクスポージャーはどうなっているだろうか? 自分が保有する債券ポートフォリオの満期までの期間を知っているだろうか?

ずっと以前から私は、多くの投資家が自身のポートフォリオの資産配分状況を知らないということに驚かなくなっている。あらゆる投資家にとって、自らが下す最も重要な決断の1つが、株式と債券に関する投資額の割り振りだ。私たちは最低限、ポートフォリオのこの点について把握し、追跡すべきだ。

これがどんなに重要であるかを知りたいなら、ポートフォリオのリターンに関するバンガードのデータをチェックするといいだろう。投資資産の中で株と債券の占める割合によって、リターンが異なることがわかるはずだ。

例えば、株60対債券40の場合、1926年以降のリターンは9.9%だった。そこで株式を増やし、70対30のポートフォリオにすると、リターンは10.5%に跳ね上がる。この差が長期的にそれほど大きな影響をもたらすのか、疑問が少しでもあるのなら、先ほど論じた手数料に関する記述をぜひ読み直してもらいたい。

ポートフォリオの資産配分を追跡してくれるツールはいくつかある。

結論

ポートフォリオの現在の価値やリターンを追跡することは重要だ。だが投資家は、それらだけを追跡すればいいわけではない。ポートフォリオの配当、手数料、資産配分をウォッチしていれば、自分のポートフォリオをより深く理解する手掛かりになるとともに、重要な投資に関する決断をする際に、適切な情報に基づいて判断することが可能になるはずだ。

forbes.com 原文

翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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