LVMH株が約7%の急落、景気減速が「高級品市場」の逆風に

ベルナール・アルノー(Photo by Chesnot/Getty Images)

フランスの高級ブランド大手LVMHの株価は10月11日の朝方に急落した。景気減速が懸念される中、高級品への支出は減少している。

LVMHの株価は11日早朝の取引で約6.6%急落し、727ドルをつけた。この急落は、同社の第3四半期決算の売上高が9%増と、前四半期の17%増を大きく下回り、アナリスト予想の10%増を下回ったことを受けてのものだ。

最も強い打撃を受けたワイン・スピリッツ部門の売上高は、前年同期比14%の減収で「パンデミック後の需要の正常化と米国の経済環境が、特にコニャックの販売に打撃を与えた」とLVMHは述べている。

同社にとって最大のファッション&レザーグッズ部門の第3四半期の売上高は前年同期比9%増で、上半期に記録した前年同期比20%増から大きく落ち込んだ。

フォーブスは、LVMHの会長兼CEOのベルナール・アルノーの保有資産が過去24時間で64億ドル減少し、1791億ドル(約26兆7000億円)になったと試算している。イーロン・マスクに次ぐ世界2位の富豪であるアルノーは、3位のアマゾン創業者のジェフ・ベゾス(1523億ドル)を大きく引き離している。

LVMHの時価総額は、今年初めに一時的にテスラを上回った。アルノーは、昨年末にマスクを抜いて世界一の富豪になったが、テスラの株価が年初から140%以上急騰したため、2人の順位は逆転した。

高級ブランドが米国のインフレと中国の景気減速による逆風に直面する中、LVMHの株価は過去6カ月で17%以上下落している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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