ビルケンシュトックのIPO価格は46ドルに設定されていたが、初値はそれを10%あまり下回る低調な滑り出しで、終値も40.20ドルと12.6%安に沈んだ。
取引初日の終値に基づくと時価総額はおよそ75億ドル(約1兆2000億円)。IPO価格での評価額は93億ドルだった。
ナスダックやニューヨーク証券取引所ではこの1カ月、ソフトバンクグループの傘下にある半導体設計の英アーム、食品宅配の米インスタカート、マーケティング支援の米クラビヨが大型上場を果たした。アームの初日終値は公開価格を25%も上回り、インスタカートも12%高、クラビヨも9%高といずれも好調なデビューを飾っていた。
だた、これら3社の株価はその後低迷しており、アームが取引初日の終値に比べ14%、インスタカートは26%下げているほか、クラビヨも2%ほどの上昇にとどまっている。ビルケンシュトックの「成長痛」が続くことになれば、時価総額は65億ドル程度まで縮む可能性もある。
調査会社ニュー・コンストラクツのデービッド・トレーナー最高経営責任者(CEO)はビルケンシュトックについて、2021年に47億ドルの評価額で身売りしてから「ほとんど何も変わっていない」と指摘。「投資家はこの数週間で、IPOに関して重要な教訓を得たはずだ」とも述べている。
ビルケンシュトックは9月12日にIPOを申請した。同社の創業家はフランスの高級ブランド大手LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンを率いるアルノー家の投資会社、Lキャタルトンに株式の大部分を売却しており、LVMHのベルナール・アルノー会長の息子であるアレクサンドル・アルノー(31)がビルケンシュトックの取締役に就く予定となっている。
(forbes.com 原文)