ビルケンシュトックIPOがズッコケ 成長疑問視で初日13%安

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ドイツのサンダル大手ビルケンシュトックが11日、米ナスダック市場に上場した。終値は新規株式公開(IPO)価格を13%近く下回り、ニューヨーク市場でこのところ続いていた好調なIPOの流れに逆行するかたちになった。市場は創業249年の老舗メーカーの成長ストーリーを疑問視している。

ビルケンシュトックのIPO価格は46ドルに設定されていたが、初値はそれを10%あまり下回る低調な滑り出しで、終値も40.20ドルと12.6%安に沈んだ。

取引初日の終値に基づくと時価総額はおよそ75億ドル(約1兆2000億円)。IPO価格での評価額は93億ドルだった。

ナスダックやニューヨーク証券取引所ではこの1カ月、ソフトバンクグループの傘下にある半導体設計の英アーム、食品宅配の米インスタカート、マーケティング支援の米クラビヨが大型上場を果たした。アームの初日終値は公開価格を25%も上回り、インスタカートも12%高、クラビヨも9%高といずれも好調なデビューを飾っていた。

だた、これら3社の株価はその後低迷しており、アームが取引初日の終値に比べ14%、インスタカートは26%下げているほか、クラビヨも2%ほどの上昇にとどまっている。ビルケンシュトックの「成長痛」が続くことになれば、時価総額は65億ドル程度まで縮む可能性もある。

調査会社ニュー・コンストラクツのデービッド・トレーナー最高経営責任者(CEO)はビルケンシュトックについて、2021年に47億ドルの評価額で身売りしてから「ほとんど何も変わっていない」と指摘。「投資家はこの数週間で、IPOに関して重要な教訓を得たはずだ」とも述べている。

ビルケンシュトックは9月12日にIPOを申請した。同社の創業家はフランスの高級ブランド大手LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンを率いるアルノー家の投資会社、Lキャタルトンに株式の大部分を売却しており、LVMHのベルナール・アルノー会長の息子であるアレクサンドル・アルノー(31)がビルケンシュトックの取締役に就く予定となっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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