ユーザーをいらつかせていたこの不具合は、新しいアプリにフォーカスを切り替えた際に起きる表示エラーだ。2002年6月2日に投稿された最初のバグ報告は、次のようなものだった。
「ツールバーのリンクにマウスカーソルを置いて少しすると、リンクの説明が書かれた小さな黄色いポップアップが表示される。この状態でコマンドキーとタブキーを使ってアプリを切り替え、Mozilla(Firefox)の画面を後ろに移動させても、小さな黄色いポップアップは最前面に表示されたまま消えない。これを消す唯一の方法は、Mozillaを最前面に戻し、マウスカーソルをツールバー上から移動させるしかない」
このバグ報告には何年にもわたり多くの賛同が寄せられ、他のユーザーからも同じ問題の報告が上がった。当初はMacでの不具合として報告されたが、すぐにWindows 98でも同じバグを確認したとのコメントがついた。メールクライアント「Thunderbird」など、他のMozilla製品でもこのバグが発生したとの報告もあった。
2010年には「何年もイライラさせられっぱなしだ。絶対に直っていない」との投稿があった。
だが、このバグは今や過去のものとなった。
何の知らせもなく、Mozillaが約1カ月前にこのバグに解決済みの印をつけていことが判明。ソーシャルメディアではここ数日、喜びの声が相次いでいる。
バグが修正されたことを発見したユーザーは、Mastodon(マストドン)に「やっとだ」と投稿した。別のユーザーは「あのバグに人生の半分の間悩まされた」とコメントした。
バグ修正のコミットを入力した人物は、修正が行われた4日前にMozillaのバグ管理システムのアカウントを取得したばかりだったという。あるMastodonユーザーは「この人はきっと子どもの頃にバグを経験し、心底腹が立って大学でコーディングを学び、卒業してからアカウントを作ってバグを修正したのだろう。人生の目標を完遂したんだ」と書き込んだ。
(forbes.com 原文)