「ペディドーシャ」がトレンドに
結果としてユーザーたちはこのサービスを歓迎し、大きな反響を得た。SNS上では「飛行機がいまどこにいるか見たとき、感動して涙が出た」「愛してる! ペディドーシャ」といったコメントが寄せられた。SNS上で「ペディドーシャ」が言及された数は、なんとメッシより32%も多かった。ペディドーシャという言葉は、メッシやアルゼンチン代表チームを越えて、トレンドワードのナンバーワンにランクされたのだ。
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PedidosYa - World Cup Delivery (case study) Mobile Grand Prix at the Cannes Lions 2023より
謎のプッシュ通知を全登録者に送り付けるというのは批判も浴びかねない行動で、一種の賭けでもあっただろう。しかし今回の場合、発信者側にはこの施策が好意的に受け入れられるという確信があったのではないだろうか。
ペディドーシャのように、ブランドや製品やサービスが、広告コミュニケーションにおいて社会課題を取り上げる例が近年増えている。上手く展開すれば、そのほうが消費者の支持が得られやすいと考えられているからだ。そんななか日本では、“社会課題”と言うと海洋ゴミの増大や人権侵害など重い話題と捉えてしまい、多くの企業は二の足を踏むことが多い。
しかし、この「ワールドカップ・デリバリー」のように、多くの人が関心を寄せるなんらかの“課題”を扱うこともできる。人々の課題と自社サービスと関連づけて“解決”してあげれば、大きな好意的反響を得ることが可能なのだ。
ペディドーシャの事例は、そんなヒントを与えてくれた。