働き方

2023.10.13 08:45

若い女性の退職理由ランキング 日本のリアルな職場環境とは

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その昔、女性社員は結婚して退社するのが寿退社とか言われて、ひとつの幸せの象徴だったが、今は誰もが必死に働かないと暮らしていけない時代。それなのに辞めていく女性社員が後をたたない。その理由から、日本の悲しい職場の現実が見えてきた。

居心地のいいSNS「GRAVITY」を提供するHiClub(ハイクラブ)は、20歳から39歳までの女性544人を対象に退職理由に関するアンケート調査を実施した。このうち退職経験がある人が何人かは示されていないが、このアンケートに回答したということは、ほぼ全員が経験者であると考えていいだろう。

その結果、退職理由でもっとも多かったのが人間関係。自由意見からは「機嫌によって態度が変わる上司で精神的にやられた」、「悪口や噂話のオンパレード」、「お客さんの取り合い、人格否定、いじめなど」など、殺伐とした職場の雰囲気が伝わる。こんな職場にいては精神的に壊れてしまう。

2位は給与が安いこと。これはもう説明不要だろう。厚生労働省の『令和3年雇用動向調査結果の概況』によれば、2021年の男女の賃金格差は男性を100とすると女性が75.2と世界的に見ても大きい。

3位は体調不良。病気なら仕方ないと思うが、「人間関係、業務過多、睡眠時間の減少、さまざまな理由でキャパオーバー。体調を壊してしまった」、「ストレスからくる体調不良で仕事を辞めてしまった」、「仕事のしすぎで体が動かなくなってしまった」など、人間関係や4位の長時間残業が原因という人がいる。体調不良は理由ではなく、劣悪な職場で働いた結果だ。

4位は休日出勤と長時間残業、5位はパワハラ、6位は社風と、職場の問題が続く。7位にようやくキャリアアップという前向きな理由が現れたかと思えば、8位は結婚。夫の仕事を優先させると自分が辞めなければならないという理由が多く、「寿」感はない。

9位は会社の将来性。よろしくない会社に就職してしまったということだ。これも1位から6位までの会社原因。そして10位は出産と育児。「いまだに男性は育児休暇を取りづらいし、出産育児の負担が女性は大きい」と、これまた女性が一方的に仕事を諦めるパターンだ。

厚労省の『令和3年雇用動向調査結果の概況』では、女性の離職率は常に男性よりも高いが、2019年から2020年にかけて大きく減少している。このアンケートで示された職場の環境が改善されていないとしたら、辞めるに辞められず必死に耐えている女性が増えたということになる。それもまた深刻だ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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