アップルはこの秋にリリースしたiPhone向けのiOS 17で、ユーザーが画面に触れることなく必要な情報に「ひと目でたどり着く(=Glanceable)」機能を充実させた。ソフトウェアエンジニアリング担当 上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏、ヒューマンインターフェースデザイン担当副社長のアラン・ダイ氏に、アップルが再びiPhoneのユーザーインターフェース改革に挑む背景をインタビューした。
アップルの主要OSで「ウィジェット」を一斉強化
iOS 17の革新性を語る上で欠かすことのできない機能がある。その1つが「ウィジェット」だ。今年、アップルは主要なデバイスのOSにおいてウィジェットの機能を一斉に強化した。macOS 14 Sonomaはホーム画面に、iPadOS 17ではロックスクリーンにウィジェットが置ける。watchOS 10にはウィジェットが初めて搭載される。Apple Watchのために最適化した「スマートスタック」だ。
アップルがなぜいま、ウィジェットの強化に乗り出すのか? 背景をフェデリギ氏が次のように答える。
「App Storeの誕生から15年が経ちました。当時よりも現在はデバイスの性能が飛躍的に向上して、アプリを取り巻く環境が大きく様変わりしています。ユーザーが1つのアプリの中にとどまらず、複数のアプリとタスク、そしてアップルのOSを横断しながら必要とする情報に効率よくたどり着けるようにウィジェットを強化しました」(フェデリギ氏)
例えば「写真」アプリのウィジェットをmacOSのホーム画面に配置すると、iPhoneで撮りためた写真を見返す機会が増える。フェデリギ氏の「お気に入りなウィジェットの使い方」なのだという。
2020年のiOS 14からウィジェットはホーム画面に配置できるようになった。さらに2022年のiOS 16以降から、よく使うウィジェットはロックスクリーンにも置ける。フェデリギ氏によると「iOSを好みに合わせてカスタマイズできる機能としても、ウィジェットが多くのユーザーに浸透している」という。
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