欧州

2023.10.09 08:00

プリゴジンだけではない、同様の運命をたどったプーチンの批判者たち

ロシア・モスクワで非公式に開かれたワグネル・グループの創設者エブゲニー・プリゴジンの追悼式(Getty Images)

ロシア当局によると、プリゴジンは8月23日にモスクワ北西トベリ州で墜落した小型ジェット機の搭乗名簿に載っていた。乗員3人を含む搭乗者10人全員が死亡したという。ロシア連邦航空輸送庁が国営RIAノーボスチ通信にプリゴジンの死亡を確認したにもかかわらず、プリゴジンがまだ生きているのではないかとみる向きもある。
-->
advertisement

いずれにせよ、プリゴジンの死は突然起きたことではない。プリゴジンはプーチン大統領とかつて親密な関係にあったが、最近の反乱で両者の間に緊張が生じていた。プリゴジンは6月、プーチン大統領に強力な挑戦を仕かけ、モスクワに到達しそうになったが、突然、進軍を中止することに同意した。

両者の関係は30年ほど前にさかのぼる。プリゴジンが営むケータリング事業がロシア政府との契約を獲得したことで、囚人からレストラン経営者に転身したプリゴジンが「プーチンの料理人」として知られるようになったのだ。

プリゴジンは2014年以降、約2万5000人の傭兵を擁するワグネルを率いることで、政府を支援してきた。ワグネルは、ウクライナ侵攻の最前線で最も激しい戦闘に参加したことで知られている。だが、プリゴジンはロシア政府がワグネルの傭兵への攻撃を命じたと主張し、反乱を引き起こした。その後、ワグネルをベラルーシに移転させる協定をプーチン大統領と結んだとして、反乱は終結した。ところが、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、プリゴジンは国内にいなかったと説明。反乱に終止符を打ったのがどのような取り決めであったにせよ、その正確な条件もわかっていない。
advertisement

英当局が英BBCに語ったところによると、プリゴジンが死亡した墜落事故の背後には、ロシアの国内情報機関である連邦保安庁(FSB)が関与している可能性が高い。匿名でBBCの取材に応じた国防筋は、プリゴジンはプーチン大統領に対する不誠実な態度が原因で狙われたと述べた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事