ファッション

2023.10.21 12:30

本とジャケット─連載 Forbes JAPAN CIRCLE 30

書を片手に、お気に入りのジャケットを羽織って街へ出る。自由気ままに街中を歩くと、本に耽ふけるにおあつらえ向きの喫茶店や、国も時代も曖昧になる不思議な街角に、出くわすものだ。思いがけない出合いと発見をもたらしてくれる、ファッションと読書。それは自分探しの旅のようなものかもしれない。


ツイードの温もりを都会的に着こなす

ジャケット500500円、シャツ123200円、スカーフ49500円(すべてラルフ ロ ーレン パープル レーベル/ラル フ ローレンTel:0120-3274-20)

ジャケット500500円、シャツ123200円、スカーフ49500円(すべてラルフ ロ ーレン パープル レーベル/ラル フ ローレンTel:0120-3274-20)

襟元の遮風性を高める上襟のスロートタブや収納性の高いマチ付きのフラップポケットなど、ブリティッシュカントリーテイストの機能的ディテールを備える「ケント」モデルのジャケット。しっかりとしたヘリンボーン柄ツイードは一見重厚そうだが、上質なリネンシルクがベースとなっており、芯地類を抑えたイタリアならではの軽やかな仕立ても相まって、軽く柔らかな着心地が堪能できる。上品なベージュのドレスシャツを合わせ、リネンスカーフを首元に巻けば、アクセントになりエレガントにまとまる。

伝統のテーラリングをモダンに昇華

ジャケット350000円、シャツ105000円、パンツ101200円[参考価格]、シューズ148500円[参考価格](すべてディオール/クリスチャンディオールTel:0120-02-1947)

ジャケット350000円、シャツ105000円、パンツ101200円[参考価格]、シューズ148500円[参考価格](すべてディオール/クリスチャンディオールTel:0120-02-1947)

創設者のムッシュディオールがこよなく愛したテーラードウェア。現在のメゾンにとっても不可欠なテーラリングのノウハウは、ディオールを象徴するジャケットにも受け継がれている。クラシックなウール混キャンバスを用い、トップボタンのみダブルブレストのように合わせが深くなったフロントデザインで、普遍的なエレガンスとコンテンポラリーな佇まいが同居。大きなパッチポケットにはワークジャケットのテイストも漂うなど、さまざまな要素が美しく溶け合っている。

テーラードの美しさとニットの快適さを兼備

ジャケット107800円、パンツ81400円(ともにラルディーニ)、シャツ31900円(ジャンネット/すべてトヨダトレーディング プレスルームTel:03-5350-5567)

ジャケット107800円、パンツ81400円(ともにラルディーニ)、シャツ31900円(ジャンネット/すべてトヨダトレーディング プレスルームTel:03-5350-5567)

一流メゾンも信頼をおくテーラードファクトリーから出発し、トータルブランドへと進化を遂げたラルディーニ。自社開発のウールで編み立てたニットジャケットは、優れた弾力と形態安定性を備えており、ニットの弱点である伸びを解消。また肩周りの立体感や襟の優美な返りにより、テーラードジャケットに引けを取らない凛々しさがある。テーラードの美しさとニットの快適さを兼備する、テーラードを熟知したラルディーニだからこそ仕立てられた一着だ。

静かな時間を知的に装う

手巻き、18KPGケース、ケース縦46.6 × 横33.9 mm。 ¥2442000(カルティエ/カルティエカスマターサービスセンターTel:0120-1847-00)

手巻き、18KPGケース、ケース縦46.6 × 横33.9 mm。 ¥2442000(カルティエ/カルティエカスマターサービスセンターTel:0120-1847-00)

パリの空を自由に飛んだ伊達男アルベルト・サントス=デュモンがいつでも時刻を確認できるようにと、ルイ・カルティエが1904年に製作したのが、世界初の紳士用の実用腕時計である。その歴史を継承する「サントスデュモン」は、初代と同じスクエアケースのエレガントなデザイン。そして忙しく動く秒針がないので、静かに優雅に時を刻む。ケースはヘアライン、ベゼルはポリッシュと仕上げを変えることでメリハリのある美しさを表現しているのも、カルティエらしい美意識表れだ。

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direction by Akira Shimada|photographs by Akira Maeda|styling by Makoto Yoshino|hair & make-up by Jun Furukawa|model by Asahina|text by Yasuhiro Takeishi, Tetsuo Shinoda

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年10月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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