国内

2023.10.21 11:30

社会人3年目で起業 試行錯誤で「着物から靴」をつくるまで

ルリエ エイトワン(Relier81)代表 田尻大智

ルリエ エイトワン(Relier81)代表 田尻大智

日本の企業が世界に出るとき足りないものは何か? そのひとつがコミュニケーション、つまり伝える内容や伝え方だとしたら、どうすれば乗り越えていけるのか?

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未開拓の日本の可能性を世界と繋ぐことをミッションとするKitchen & Companyの代表・中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」とForbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

Vol.57配信のゲストは「ルリエ エイトワン(Relier81)」代表の田尻大智。「ルリエ エイトワン」は、着物や帯を靴やシャツなどにアップサイクルしたブランドだ。新しい形に生まれ変わった着物や帯を国内外に普及させ、衰退が進む日本の伝統文化と、それを支える職人や産業を守りたいと考えている。

中道:今回は「ルリエ エイトワン」代表の田尻大智さんをお迎えしています。田尻さんは京都在住。2018年より、レディース向けシューズブランド「ルリエ エイトワン」をスタートしました。

日本の伝統や文化、職人の技術を、永く大切に残していきたいという思いから、使われずに眠っている着物や帯を靴へと昇華させる、アップサイクルな取り組みを行っています。2020年以降は「UNITED TOKYO」をはじめとするコラボレーションアイテムも展開。まず、着物や帯のアップサイクルを始められたいきさつからお伺いできますか。
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田尻:学生の時にバックパッカーでタイのバンコクに行って、そこからバックパッカーにハマっていろんな国を回ったのがきっかけです。海外で京都から来たと言うと、けっこう反応がよくて。京都は海外でもよく知られていて良い印象を持たれているのだなと初めて実感しました。

海外の人が日本や京都にどういうイメージを持っているか聞いてみると、やはりアニメやお寿司、ラーメンが圧倒的に多くて。でも京都を知っている人からは「お寺」「舞妓」「着物」というフレーズが聞こえてきて、歴史や文化に興味を持たれている方も多いのだなと。

自分は京都で生まれ育って今も京都に住んでいますが、着物や帯などの伝統産業のことを何も知らないなと思って、どうなっているのか調べてみたんです。すると、着物や帯は売れなくなり、職人さんの数も激減して、業界がすごく衰退していた。こんなに厳しい状況なのかと。

海外では着物や帯などの伝統文化に興味を示す人が多いのに、京都の伝統産業のリアルな状況との間に大きなギャップがある。このギャップを埋めることができれば伝統産業を残していけるのではないか。そのために自分に何ができるのかと考え、アップサイクルを始めることにしました。
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文=久野照美 編集=鈴木奈央

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