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2023.10.09 09:00

気候テックに特化のVC「BXVentures」が370億円の新ファンド組成へ

BXVentures team(C)BXVentures

ニューヨークに本拠を置く気候テックに特化したスタートアップスタジオ「BXVentures」は9月27日、アーリーステージの気候テックのスタートアップを支援するため、最大2億5000万ドル(約373億円)の新ファンドを組成すると発表した。

BXVenturesは、事業化が可能な新技術を掘り起こし、商業化を支援する。同ファンドが投資対象とするのは、研究開発に重点を置くアーリーステージのスタートアップだ。

新ファンドの規模は2億~2億5000万ドルになる予定だが、BXVenturesはこれまでに調達した額や出資者について明らかにしていない。同社は、モントリオールとニューヨーク、ブリュッセルにある拠点を通じて、事業化ができず、大学内にとどまっている技術の掘り出しを行う。

BXVenturesによると、同社はカナダのマギル大学と提携し、同校からスピンアウトして商業化が可能なクリーンテックに資金を提供するという。マギル大学は、スタートアップの株式に加え、IP(知的財産)の商業化にともなうロイヤルティを得る。

BXVenturesのアドバイザリー部門のBXVアドバイザリーは、投資対象として有望な大学発の気候テックの発掘を支援する。

「気候変動の深刻化が明らかになるにつれ、大学で開発された革新的な気候テックソリューションを迅速に市場に投入する必要性が増している」とBXVenturesのマネージングパートナーであるロメイン・デコープスは話す。

「伝統的なベンチャーキャピタル(VC)のモデルに比べ、ベンチャースタジオはゼロから会社を設立し、資本と事業運営の両面から支援を行う。過去の事例を見ると、この手法の方が出資比率が高く、事業の成功確率も高い。意義ある技術を市場に投入することで、気候変動へのインパクトを劇的に高めることが可能になる」と、デコープスはいう。

BXVenturesのもう1人のマネージング・パートナーであるダニエル・マレックは、同社のアプローチが、他のVCが投資に消極的なスタートアップに対しても有効だと述べている。

「BXVenturesは、マギル大学とのパートナーシップを活用して革新的な長期エネルギー貯蔵技術のスピンアウトを計画しており、近々発表する予定だ」と、マレックは述べた。

そのスタートアップとはFex Energyだ。BXVenturesが過去に投資した企業には、ベルギーのルーヴァン・カトリック大学からスピンアウトしたThermo Power Systemsが含まれる。同社は、排熱を利用可能なエネルギーに変換し、産業におけるエネルギー浪費の解消に取り組んでいる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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