BXVenturesは、事業化が可能な新技術を掘り起こし、商業化を支援する。同ファンドが投資対象とするのは、研究開発に重点を置くアーリーステージのスタートアップだ。
新ファンドの規模は2億~2億5000万ドルになる予定だが、BXVenturesはこれまでに調達した額や出資者について明らかにしていない。同社は、モントリオールとニューヨーク、ブリュッセルにある拠点を通じて、事業化ができず、大学内にとどまっている技術の掘り出しを行う。
BXVenturesによると、同社はカナダのマギル大学と提携し、同校からスピンアウトして商業化が可能なクリーンテックに資金を提供するという。マギル大学は、スタートアップの株式に加え、IP(知的財産)の商業化にともなうロイヤルティを得る。
BXVenturesのアドバイザリー部門のBXVアドバイザリーは、投資対象として有望な大学発の気候テックの発掘を支援する。
「気候変動の深刻化が明らかになるにつれ、大学で開発された革新的な気候テックソリューションを迅速に市場に投入する必要性が増している」とBXVenturesのマネージングパートナーであるロメイン・デコープスは話す。
「伝統的なベンチャーキャピタル(VC)のモデルに比べ、ベンチャースタジオはゼロから会社を設立し、資本と事業運営の両面から支援を行う。過去の事例を見ると、この手法の方が出資比率が高く、事業の成功確率も高い。意義ある技術を市場に投入することで、気候変動へのインパクトを劇的に高めることが可能になる」と、デコープスはいう。
BXVenturesのもう1人のマネージング・パートナーであるダニエル・マレックは、同社のアプローチが、他のVCが投資に消極的なスタートアップに対しても有効だと述べている。
「BXVenturesは、マギル大学とのパートナーシップを活用して革新的な長期エネルギー貯蔵技術のスピンアウトを計画しており、近々発表する予定だ」と、マレックは述べた。
そのスタートアップとはFex Energyだ。BXVenturesが過去に投資した企業には、ベルギーのルーヴァン・カトリック大学からスピンアウトしたThermo Power Systemsが含まれる。同社は、排熱を利用可能なエネルギーに変換し、産業におけるエネルギー浪費の解消に取り組んでいる。
(forbes.com 原文)