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2023.10.09 11:00

楽天モバイルも採用する「衛星ブロードバンド」企業ASTの実力

試験衛星「BlueWalker 3」(C)AST SpaceMobile

試験衛星「BlueWalker 3」(C)AST SpaceMobile

米国の宇宙ベンチャーASTスペースモバイル(AST SpaceMobile)は9月19日、市販のスマートフォンから低軌道衛星への初の5G通信に成功したと発表した。通話は、9月8日にハワイのハナからスペインのマドリードの間を、同社の試験衛星「BlueWalker 3」を経由して行われ、端末はサムスン製スマートフォン「Galaxy S22」が使用された。

別のテストでは、14Mbpsのダウンロード速度を達成した。この通信速度があれば、通話だけでなく、インターネットの閲覧やファイルのダウンロード、動画ストリーミングアプリの使用などが可能になる。

「BlueWalker3のローンチ以来、すべての主要メーカーのスマートフォンとの互換性と2G、4G LTE、5G通信の対応を達成した。我々は、宇宙ベースのセルラーブロードバンドによってインターネットに接続されていない人々を接続し、世界中のインターネット接続を変革できると確信している」とASTのアベル・アベラン(Abel Avellan)会長兼CEOは声明で述べた。

ASTはボーダフォンやAT&T、ノキアと提携し、スペースXのスターリンクと競合する衛星ベースの携帯電話通信を開発している。

ASTとスターリンクの主な違いは、BlueWalker3衛星の巨大さにある。BlueWalker3の大きさは693平方フィート(約64平方メートル)と、オリジナルのスターリンク衛星の約40倍もある。この大きさによって、特別なハードウェアや衛星アンテナを用いなくても、多くの人が保有する標準的なスマートフォンで直接通信するこが可能になる。ASTは、今年4月に初めて宇宙への通信に成功しており、携帯電話の接続ができていない地球上の90%の地域にセルラー通信を提供することを目指している。現在の計画では、168基の衛星を周回させる予定だ。
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編集=上田裕資

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