北米

2023.10.07 08:30

米国の子供の死因第1位が銃、薬物中毒もトップ5入り

ワシントンD.C.のナショナル・モールで開催されたThe Gun Violence Memorialイベント(Getty Images)

ワシントンD.C.のナショナル・モールで開催されたThe Gun Violence Memorialイベント(Getty Images)

米国小児科学会(AAP)の新たな調査によれば、過去10年間で、銃による子どもの死亡率や薬物中毒による死亡率が増加している。これによって、子どもの銃による暴力や薬物乱用を巡る継続的な議論の必要性や懸念が高まっている。
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AAPの調査では、10年間で銃による死亡が87.1%増加し、2011年の1311件から2021年には2590件となった。これにより、銃による死亡はクルマの事故を上回り、米国の子どもや10代の主要な死因となった。

また研究者たちによれば、薬物中毒は18歳以下の死因として第4位となり、同じ10年間で青少年の死亡が133.3%増加している。

子どもの死亡に関わる他の主要な原因としては、過去10年間では大きく変わらなかった溺死や、12.5%増加した窒息が含まれている。
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分析は、2011年から2021年までの18歳以下の致命的な負傷データを、米国疾病予防管理センター(CDC)の国立健康統計センターから得て行われた。

「子どもたちの致死的・非致死的傷害に対処するためには法律の強化、国民の意識の向上、医療制度の改善など、的を絞った介入が必要であるが、子どもの負傷に影響を与える多様な社会的な力を考えると、それらの努力だけでは十分ではないだろう」と報告書の著者らは述べている。

非営利団体「Gun Violence Archive」(GVA)によると、今年に入ってから18歳未満の1335人が銃による暴力で死亡している。1300人以上の子どもや10代の若者が銃によって死亡している一方で、GVAは520件以上の銃乱射事件が発生していると推定している。今年は、GVAがデータ追跡を開始した2014年以来、最も死亡者の多い年となる見込みだ。ジョー・バイデン大統領は今年初め、銃の購入前に必要な身元調査を確実に実施することなどにより、銃による暴力を制限する大統領令を発令した。

また、CDCのデータによれば、薬物の過剰摂取により、今年これまでに少なくとも10万6000人の命が奪われている。全米州議会議員連盟(NCSL、米国の州議会とその議員を代表する超党派の組織)によれば、今年の立法セッションでは、モルヒネやヘロインよりも強力な合成オピオイドであるフェンタニル(フェンタニルが違法に流通する際にはコカインやヘロイン、メタンフェタミンと混合されることが多い)に関連する600件の法案が提出された。そのうちの103件は法律として成立している。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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