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2023.10.06 09:30

Xが記事リンクから見出し削除、仕様変更で「ほぼ役立たず」との批判も

Rokas Tenys / Shutterstock.com

X(旧ツイッター)は日本時間の5日、ニュース記事へのリンクから見出しの表示を削除する仕様変更を実施した。Xのオーナーであるイーロン・マスクはかねて、サイトの見た目を改善する取り組みとして、仕様変更の意向を表明していた。

Xに投稿されたニュース記事へのリンクは「カード」と呼ばれる形式で表示され、これまでは記事のトップ画像と見出し、1文程度の本文が含まれていた。

変更後の仕様では、トップ画像のみの表示となり、左下にはニュースサイト名が小さく透かしで表示される。画像は、クリックすると記事ページに移動できるリンクとなっている。以前投稿された記事へのリンクでも見出しが表示されなくなっており、変更は過去の投稿にもさかのぼって適用されているとみられる。

この仕様変更により、写真付き投稿と記事リンク付き投稿の区別がつきにくくなるため、ニュースサイトへのトラフィック誘導に影響を与える可能性がある。

報道関係者を含むユーザーは、仕様変更を批判。米紙ニューヨーク・タイムズのジョナサン・スワン記者はXへの投稿で「これほど即座に製品の基本機能を破壊した企業オーナーは見たことがない」と批判。ニュースを手早く確認するサービスとしてXは「ほぼ役立たず」になったと嘆いた。

一部のユーザーは、画像しか表示されない記事リンクに、でたらめな見出し(多くはマスクをばかにする内容だ)をつけて投稿し、仕様変更をやゆしている。

仕様変更の計画は8月、米経済誌フォーチュンが最初に報じた。マスクは当時、これが自身の案であることを認め、変更によりサイトの「見た目がとてもよくなる」と説明。フォーチュン誌はまた、見出しを隠すことで、紛らわしいタイトルなどでクリックを誘発する「クリックベイト」を減らすとともに、投稿の縦幅を縮小できるとマスクが考えていると伝えていた。

マスクは最近、クリエイターやジャーナリストに自分のコンテンツを直接プラットフォーム上で公開するよう促してきた。8月には「執筆の自由度と収入を増やしたいジャーナリストは、このプラットフォームに直接投稿しよう」と投稿。6月には、米ニュース専門放送局MSNBCの司会者レイチェル・マドウやCNNの元キャスター、ドン・レモンらに対し、FOXニュースの番組から降板させられたタッカー・カールソンにならい、夜のニュース番組をXに直接アップロードするよう呼び掛けた。

人気コンテンツクリエイターの誘致は、Xをいわゆる「万能アプリ」に変えようとするマスクの取り組みの一環だ。またXはこれまでにも、ニュースコンテンツの配信方法を変更してきた。8月には、マスクが嫌うニューヨーク・タイムズやロイターなどのウェブサイトへのリンクに、5秒の遅延が加えられていたことが、米紙ワシントン・ポストの調査で発覚。この遅延は報道後に解消された。

米ネットメディアのアクシオスは今週、フェイスブックとXからの大手ニュースサイトへのトラフィックがここ1年間で大きく落ち込んでいると報じた。報道では原因については触れられていないが、フェイスブックと同じ米メタ傘下のインスタグラム責任者であるアダム・モッセーリは以前、同社ではネガティブな注目やリスクを避けるために政治やニュースのコンテンツを「推進しない」方針であると説明していた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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