睡眠はどのようにして記憶を強化するのか?
睡眠中、私たちの脳は記憶を「統合」します。統合とは、記憶を短期記憶から長期記憶に移すプロセスのことで、睡眠はこの統合プロセスを可能にするために非常に重要なのです。
統合は、人が起きていて、何かを学んでいる時に始まります。Duolingoのレッスンであれ、スケートボードの新しいトリックの練習であれ、新しいクラスメートの名前を覚えることであれ、学習すると脳は「痕跡」を作ります。睡眠をとることで、その痕跡が短期記憶(学習中に記憶していた場所)から長期記憶に「コピー」され、後でその情報を使えるようになるのです!
睡眠中の言語学習
研究者らは、睡眠実験によって、睡眠中に人間が何をどのように学習するのかを探ることができます。この研究では、参加者はフランス語の単語を30個学んだあと一度度睡眠し、起床後学んだ単語のテストを受ける、といったことを行います。参加者の行動には様々なパターンがあり、1、2時間眠らされる人やひと晩中眠らされる人、そしてその中間層もいます。研究者らは、眠るようにコントロールされた人のテスト結果と、その人が寝ている間眠らないように指示された人のテスト結果とを比較するのです。(私ならひと晩中寝てからテストに挑みたいですね!)
睡眠と言語学習に関する私の好きな研究結果を2つ紹介します。
睡眠は新しい音やアクセントに役立つ
ある研究によると、私たちの脳は睡眠中に音のパターンを処理するそうです。しばしば、新しい言語の学習において、学習者は全く新しい音を練習しなければならず、その違いを聞き取ったり、ましてや発音したりするのは本当に難しいことです!例えば、英語の "r "と "l "の音は、一部の言語の話者には難しい可能性があるし、一般的に、英語話者はウルドゥー語とヒンディー語の異なる "d "の音に苦労します。
しかし、睡眠の統合プロセスによって、脳は学習中の言語の音のパターンを認識しやすくなります! これは、馴染みのある言語についてもあてはまります。聞き慣れないアクセントの話者の話を初めて聞いた場合、睡眠後に同じアクセントを持つ他の話者をより理解できるようになるのです。
睡眠は新しい単語を覚えるのに役立つ
睡眠は新しい単語を覚えるのに特に役立ちます! 眠っている間に、覚えようとしている新しい単語と、関連する他の単語とのつながりが強化されます。この強い結びつきは、その単語をより早く認識するのに役立ち、また文章を書いたり話したりするときなど、その単語を自分で考え出さなければならないときにも役立つのです。
すなわち、単語を本当に覚えたいのであれば、1回の詰め込み学習を20回続けて繰り返すよりも、1日に2、3回、数日にわたって新しい単語を練習する方がずっと効果的ということです。Duolingoのコースは、このことを念頭に置いてデザインされています。道筋をたどることで、新しく学んだ単語が時間をかけて間隔をあけて戻ってくるのです。