『The Last of Us』新作開発が「凍結」 ソニーのゲーム事業戦略に疑念

シングルプレイのゲームをヒットさせてきた傘下のスタジオにライブサービスゲームをつくらせるというソニーの方針については、多くの人が疑問を抱いている。この点は最近、PlayStation事業のトップであるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のジム・ライアン社長兼最高経営責任者(CEO)の退任が発表されたことで、議論の的となった。

BioWareやCrystal Dynamics、Gearboxなど、シングルプレイゲームの開発で知られるスタジオがライブサービスゲームへの参入を試みたものの失敗し、従来型のゲームに回帰した例を、私たちはこれまで何度も目にしてきた。

『The Last of Us』の第1作目にはマルチプレイモードが実装されていたが、ゲームにマルチプレイモードを追加することと、プレイヤーが一貫して楽しめるライブサービス専用ゲームを開発することは、大きく異なる。以前にも指摘したが、私はライブサービスの分野で今、バブルが崩壊しつつあると考えている。市場に投入されるライブサービスゲームはあまりにも多く、プレイヤーにはそのすべてを楽しむ時間はない。たとえ優秀な開発チームが手掛けたものであっても、そうしたタイトルの多くが頓挫するのではないか。

『Factions』の開発が中止されてこれまでの労力が無駄になるのと、ゲームがいまいちな状態でリリースされてノーティードッグの評価をおとしめるとともにソニーの戦略に疑問が投げかけるのと、どちらがより悪いのかは、現時点ではわからない。最善のシナリオは、ノーティードッグが『Factions』を本当にいい状態に仕上げることだが、現在の波乱ぶりをみるとそれは難しそうだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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