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2023.10.06 13:30

ログラス布川友也の偏愛漫画『金色のガッシュ!!』|社長の偏愛漫画 #16


栗俣:布川さんの会社でもその辺りを大事にされているんですか。

布川:はい、採用活動では「利他」であることを重視しています。ログラスには「ログラスでずっと働きたい」という人もいますが、「自分で何かビジネスをやりたい」とか「起業したい」という人も入ってくれています。そういう人たちは最終的にやりたいことは自分の中にあるけれど、いまこの瞬間はログラスのミッションを共有している。ログラスのメンバーと一緒ならより大きなことができそうだと思って入ってくれています。

それは『ガッシュ!!』で、思いが共感する部分があるから一緒に戦っているという、魔物の子とのパートナー関係に似ています。相互に足りない能力を補完しているところもビジネスに近いと思います。『ガッシュ!!』では呪文があとから増えてくるのですが、ガッシュ・ベルだと第四の呪文が一番強い。

そういう呪文が出てくるのって、人間で言えば、新しい能力を体得してすごい成果を出せるようになる瞬間と似ています。たとえばマネジメントの「マ」の字もわからなかった人が、急にマネジメントに目覚める。一度たりとも受注することができなかった人が急に受注できるようになる。それはまわりの人からフィードバックやアドバイスをもらったり、営業なら日々お客様に接して、課題にぶつかったりする中で体得していく。

栗俣:人を採用したり、成長する過程はかなり『ガッシュ!!』とリンクしますね。

布川:そうですね。誰かのため、社会のため、世界のために何かをやりたい。そのために自分の能力を伸ばしたい人を採用するようにしています。『ガッシュ!!』でいえばゾフィスのように「自分のためになればまわりの人を搾取してもいい」と思っている人はお見送りするようにしています。ログラスが社会貢献性を意識したサービスをやっているので、そこにマッチした採用基準にしています。

栗俣:自分たちだけの利益だけを見ていたら、会社は成長しないですもんね。

布川:はい、ビジネスは道楽でもなく、お金稼ぎの手段でもありません。社会貢献のため、世界を変えるため、命を削って仲間を守るウォンレイのような覚悟を持って、これからもビジネスに挑戦していきたいと思います。

ふかわ・ともや◎慶應義塾大学経済学部卒業後、 2016年にSMBC日興証券投資銀行部門に入社。PE、 総合商社によるM&Aや投資先IPOアドバイザリー業務 を担当。GameWith経営戦略室を経て、2019年にログラスを創業。「Loglass経営管理」「Loglass IT投資管理」を開発・提供する。 


【聞き手・企画協力】栗俣力也◎TSUTAYA IPプロデューサー。「TSUTAYA文庫」企画など販売企画からの売り伸ばしを得意とし、業界で「仕掛け番長」 の異名をもつ。漫画レビュー連載や漫画原案なども手がける。

インタビュー=栗俣力也 文=荒井香織

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年9月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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