ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたところによると、メタは、欧州連合(EU)の新たな規制を回避するために、フェイスブックとInstagramの欧州ユーザーに対し、広告なしのバージョンに月額10〜17ドルを課金するオプションを模索しているという。
ロイターによると、欧州での広告はメタの世界の広告収入の21〜25%を占めており、ユーザーの同意なしのターゲティング広告を禁止するEUの新たな規制は、同社の収益に大きな打撃を与える可能性がある。
メタはこの規制を回避するために、ユーザーからターゲティング広告の配信についての同意を得る、もしくは、広告なしバージョンを有料で提供するプランを検討している。
WSJによると、メタの関係者は規制当局に対し、フェイスブックやInstagramの広告なしバージョンへのアクセスに、デスクトップでは月額10ユーロ程度、モバイルでは13ユーロ程度を課金する可能性があると説明したという。
規制当局は、このプランの価格が高すぎるかもしれないと指摘したが、メタはこれらが「妥当な費用」であり、EUの新たな規制下で失うことになる広告収入(フェイスブックユーザー1人につき月額約17.88ドル)と同程度だと考えているという。
メタの推計によると、EUにおけるフェイスブックの利用者数は月間2億5800万人で、Instagramの利用者数は月間2億5700万人という。
フェイスブックとInstagramは、EUの新たなプライバシー規制によって大きな打撃を受けている。同社は1月、ユーザーのプライバシーを侵害したとして3億9000万ユーロ(約600億円)の制裁金を科せられ、7月にEUの裁判所は、メタがターゲティング広告を配信する方法を再評価する必要があるとの判決を下した。
WSJによると、マーク・ザッカーバーグは以前から、自社のプラットフォームは無料のままで広告モデルで運営すべきだと主張してきたが、メタの広報担当者はロイターの取材に、EUの新たな規則に対応するためには変更が必要かもしれないと語った。メタのプラットフォームはSpotifyやYouTubeらと並んで、広告なしバージョンに課金するものに移行する可能性がある。
ザッカーバーグは、3日時点でフォーブスの世界の富豪リストの7位にランクインし、保有資産は1089億ドルとされている。世界一の富豪であるイーロン・マスクの保有資産は2514億ドルとされている。
(forbes.com 原文)