米国の非営利シンクタンク、ランド研究所などの研究チームは研究結果をまとめた論文で、2020年初頭にコロナ流行が始まった際、学校の閉鎖や、社会的孤立、死者の増加といった影響が「子供と若者のメンタルヘルスに深刻な影響を与えた」と指摘している。
研究チームは、2019年1月~2022年8月の遠隔医療、対面医療、および全体的な小児メンタルヘルスのサービスと費用を分析。その結果、コロナ禍中とコロナ後の19歳未満のメンタルヘルス関連費は、コロナ前より26.1%増えていることが分かった。子供が遠隔医療サービスを利用する頻度は、コロナ流行初期ではコロナ前の30倍に増加。2022年8月の時点でも、コロナ前の23倍だった。
コロナ流行中、子供のメンタルヘルスサービス利用は22%増加。関連費用の大半は、ADHD、不安障害、適応障害の治療によるものだった。同じ研究チームは過去の研究で、コロナ流行初期に米国人全体のメンタルヘルス関連費用が50%以上増えたことを明らかにしていた。
一方、今年7月に発表された論文では、米国でコロナ流行による休校期間中、10代の若者の自殺と自殺未遂が激減したことが明らかになっている。子供の自殺念慮は通常、4月と10月にピークを迎えるが、2020年にはコロナ休校によりその傾向が変化。4月と5月の自殺発生率は、2016~21年のどの月よりも低かった。
(forbes.com 原文)