X(旧ツイッター)が「大物セレブ」起用でライブコマース宣伝へ

パリス・ヒルトン(Getty Images)

パリス・ヒルトンとX(旧ツイッター)は10月2日、Xのライブコマース機能とライブ動画機能を宣伝するためのオリジナルコンテンツの制作に向けたパートナシップを発表した。収益面での苦戦が報じられるXは、イーロン・マスクの指揮下で決済や買い物機能を統合したスーパーアプリになろうとしている。

Xのリンダ・ヤッカリーノCEOは2日、ヒルトンと彼女のメディア企業11:11との提携を発表し「動画やライブコマース、音声コンテンツなどの新たな取り組みのための発射台をいっしょに作るつもりだ」とツイートした。

ヒルトンとXは年間4つのコンテンツを作成し、ライブコマースを含む新たな取り組みを行うと、広報担当者はニュースサイトThe Vergeに語った。契約期間は2年間とされている。

Xは7月に一部のユーザーに広告収入の分配金の支払いを開始したが、大手の広告主の離反が相次いだXは、収益面での苦戦が報じられている。ニュースサイトVarietyによると、ヒルトンとの契約の一部はレベニューシェア型(収益分配型)のモデルで、Xの広報担当者は「両者にとって魅力的な契約」だと述べている。

ヒルトンはX上で1660万人のフォロワーを抱えている。

約1年前のマスクの買収以来、Xは収益面での苦戦が報じられており、トップ広告主の半数以上が、コンテンツモデレーションの弱体化や、物議を醸すポリシーのせいでプラットフォームへの支出を止めたと報じられている。ニューヨーク・タイムズは6月の記事で、今春の5週間の広告売上が前年比で59%減少したと伝えていた。

マスクは、広告収益を取り戻そうとする一方で、Xを当初からの目標のスーパーアプリにしようとしている。彼は、Xを中国のWeChatのような決済サービスを含む広範なサービスを統合したものに変えたいと述べ「世界最大の金融機関にしたい」とも語っている。

マスクは、Xをピア・ツー・ピアのモバイル決済プラットフォームにし、配車サービスやフードデリバリー、Eコマースを含む幅広いサービスを提供したいと述べている。

ヤッカリーノは7月に、この提携を予感させるような写真をXに投稿していた。彼女はその写真のキャプションで、2人がともに働いていると述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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