ビジョナル取締役CTOの竹内真は、エンジェル投資家として令和トラベルに出資し、支援している。
竹内:正直、スタートアップ投資をすることはあまり好きじゃないんです。僕はすごく自分でやりたがる性分で、外から見ている立場だと思うようにいかないときに歯がゆくて。でも、頑張っている経営者の友人を応援することは意義深いと思っていて、今はそういう人たちにだけ個人で出資しています。篠塚さんとは、19年に経営者同士のプライベートな集まりでお会いしてから仲良くなった関係。コロナ禍の旅行業が沈んでいるタイミングで新たな挑戦をすると聞き、出資させてもらいました。
篠塚:元々は仕事よりも趣味の話をする仲で、竹内さんにはワインやアートのことをたくさん教えてもらっていたんです。僕にとっては、どうしても超えられない、常に先を行っている師匠のような存在。例えば、僕が先回りをしたつもりで、海外のアートギャラリーを訪問したことを得意げに話すと、実は竹内さんはすでに訪問していたことがわかって面食らうということがしばしば(笑)。いくら追いつこうとしても、はるか前を走っていて永遠に背中が見えない感覚。会社経営においても、誰もが知っているサービスをつくっておられて、言わずもがなです。
竹内:商売って究極的には、人と金のかけ合わせだと思っています。例えば、人に給料を払い過ぎたら利益が減るけれど、それなりの給料を払わないとビジネスも大きくならない。数字に対するしっかりとした感覚と、人に対する厳しさと優しさのバランス感覚をもつことはいい経営者の条件で、篠塚さんはそれを兼ね備えている。あと、何でもわからないことを知ろうとして、頭のなかで仕組みを図形化することに長けていますね。
篠塚:確かに、産業の構造を分解して理解することは好きで、いかにメタファーをとらえて簡単に説明するか、ということは意識しています。
竹内:時々、あふれるように出力してくれるから、かわいいなと思って(笑)。まるでサッカーボールを蹴らずにはいられない男の子を見ている気分。愛すべき経営者ですね。