ビルケンシュトックは、目標株価ベースで最大15億8000万ドル(約2368億円)を調達し、時価総額は92億ドル(1兆3768億円)に上る見込みで、過去2年間でトップ5に入る規模のIPOとなる。
10月2日に証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、同社は世界最大のファッション企業体、LVMH会長の大富豪であるベルナール・アルノーの31歳の息子アレクサンドル・アルノーを取締役として指名する。
ビルケンシュトックは2日、アルノー一族の持株会社で、2021年にビルケンシュトック株の支配持ち分を購入したFinancière Agacheが、ビルケンシュトックの上場時に3億2500万ドル(約487億円)相当の株式を購入する意向であることを公表した。また、ノルウェー政府系ファンドを含むあるグループは、3億ドル(約449億円)相当の株式を購入する可能性があることを示唆した。
ビルケンシュトックは、10月11日にニューヨーク証券取引所で取引を開始する意向であるとBloombergは伝えている。
これでビルケンシュトックは、英国半導体設計大手のArm、食料品配達サービスのInstacartおよびマーケティングオートメーションのKlaviyoに続き、9月中旬以降に上場する4社目の主要企業となる。他の3社の新規市場参入後の結果はさまざまだ。Armの株価は9月29日の市場終了時でIPO価格の5%高、Kaviyoは15%高、Instacartは1%安だった。
アルノー一族が株式購入した時のビルケンシュトックの企業価値は48億7000万ドル(約7298億円)だったため、一族は31カ月の間に100%近い含み益を得ることになる。創業者一族のアレックス・ビルケンシュトックとクリスチャン・ビルケンシュトックの株式売却後の保有資産はそれぞれ17億ドル(約2547億円)だった。
アルノー家は欧州で最も裕福な一族であり、家長でルイ・ヴィトンとティファニーを所有するベルナール・アルノーの個人資産は、フォーブスの試算によると1870億ドル(約28兆円)に上り、同氏は世界で2番目に裕福な人物となった。ベルナールの第3子で次男のアレクサンドル・アルノーは、ティファニーのコミュニケーションおよびプロダクト担当執行副社長を2021年から務めている。
(forbes.com 原文)