失敗から学んだ、顧客満足度とメンバー育成のバランス感覚
徹底的に「勝ち」にこだわる北口代表らしく、社名の「Grand Central」は世界最大のプラットフォーム数を有し、NYの中心に荘厳と佇むグランドセントラル駅からネーミング。数多のセールスソリューションを生み出し、重厚な信頼を勝ち得たいという強い想いが込められている。「事業にかける想いを端的にまとめると、業界トップの規模になること、クライアントを必ずゴール(目的地)までお導きすること、この2点に尽きます。ロゴは、社名の頭文字のGとCを掛け合わせたデザインで、我々を表す中心のゴールドポイントをスタート地点として、灯火を周囲に波及していくような成長を表現しています」(北口代表)
創業した2021年は、まさにコロナ禍真っ只中。北口代表は、3年間務めたキーエンスを同年9月18日金曜日に退職し、週明けの9月21日月曜日には、「Grand Central」の法人登録を済ませていたという。コンサルティングは、対面で商談を実施する必要性も低く、コロナ禍の影響がほとんどなかったことも功を奏した。
しかしながら、北口代表には悔やんでいる経験も。
「強いて挙げるのであれば……創業当初、クライアントからKPI設定について無理難題を提示されていたにも関わらず、会社を大きくしよう、売上に貢献しようとの思いから引き受けてしまい、期待を裏切ってしまったことがありました。その結果、インシデントを発生させてしまったのです。最終的にはオーバーワークによってKPIを達成し、乗り越えましたが、この失敗を糧にコンサルティングという『無形商材におけるKPIの握り方』を、全社的に深く考えることに繋がりました。最優先は、顧客満足です。それ以降、サービスのクオリティーと、メンバー育成のバランスに注力しています」(北口代表)
1人のスーパーセールスより、さぼらない3人のチームワーク
急成長を遂げている背景には、緻密に計算された営業ノウハウによるビジネス戦略がある。営業ノウハウは4点。「まず、営業の本質を見極めることです。コネや接待でなく、マニュアル・フロー化やクロスセル・アップセルを徹底しています」と北口代表。それは、量が質を凌駕するということを意味する。
また、「1人のスーパーセールスよりも、さぼらない3人のセールスチームの方が企業(サービス)の永続につながる」という考え方。その際、安定した経営を続けている企業の営業組織を学ぶのが大切だという。
さらに、データドリブンの重要性についても細心の注意を払っている。データを徹底的に重視したリスクヘッジ経営で利益を積み上げ、十二分な企業価値を出していくのが使命だとも考える。
「4つ目は、マイクロマネジメントの真髄。この部分を追求しています。組織構成に圧倒的なリソースを割いた結果、様々なギミック(施策)を講じて、唯一無二のマイクロマネジメントを実現することです」と語る。
Grand Centralのクライアントは、SONYやNTT、電通などといったエンタープライズ企業から、SaaS/クラウド型の企業まで実に様々。同社は、その営業戦略から実働支援、新規事業の支援までを担う。
北口代表は「これらの企業様の特徴は、潤沢な予算があり、事業性が認められれば継続性が高い傾向にあるのです」と、クライアント分析にも抜かりがない。