これからもストリップの取材を続けたいという松田さん。継続して写真展を開きながら、いつか写真集を出版することが目標だ。
「今は会社の仕事としてではなく、休みの日に個人の作品として撮り続けています」
全国各地の劇場を訪れ、キャリーケースを引いて次の現場へと向かう踊り子の姿など、劇場の外でもレンズを向けている。
「ストリップの取材を通して、この先も撮り続けたいと思えるテーマを見つけました。突き詰めて考えると、私は劇場にいろんな人の人生が集まってくる感覚が好きなんです。大変じゃない人生はないし、それぞれいろんなものを抱えて生きていますよね。そんな“その人らしさ”がにじむような写真を撮りたいです」
今回の写真展は、フォトグラファー・松田優の出発点。膨大な撮影データから選んで展示した写真は、大半が楽屋や出番前後を写したもので、踊り子たちの人間模様に惹かれた松田さんの思いが伝わってくる。
そんな中に、ステージで舞う踊り子の写真が2枚だけあった。理由を問うと、松田さんは少しはにかんでこう答えた。
撮影=松田優
「その意味は、会場で考えてみてください」
彼女が見たストリップ劇場が、そこにある。