欧州初の認可を受けた無人貨物機航空会社であるドロナミクスは、来年からギリシャで配達業務を開始する予定だ。「最終的には2025年に米国で運航を開始する計画だ」と、同社の共同創業者で最高経営責任者(CEO)のSvilen Rangelovは述べている。
ブラックスワンは、2人乗りのセスナ機ほどの大きさの固定翼の無人機で、自動または半自動操縦モードで飛行可能だが、現状ではリモート操縦士によってコントロールされている。
ブラックスワンは、従来の貨物飛行機よりも輸送コストを50%抑え、炭素排出量を60%削減できるという。
従来の貨物機は複数の顧客のために大量の荷物を運び、空港からは複数のトラックに荷物を積み替えて輸送するが、ドロナミクスの場合は、350kgの積載量を単独の顧客に提供し、ピンポイントで配送する。
小型機の利点のひとつは、長い滑走路を必要としないことだ。「400m程度の未舗装の滑走路でも離着陸できる」とRangelovは語る。ブラックスワンは従来のサプライチェーンにおける複数のステップを省略し、輸送中の商品が無駄な距離を移動しないようにすることができる。
これより小型のドローンを使って少量を短距離で配送するサービスとしては、グーグルと同じアルファベット傘下のWing(ウィング)や、アイルランドのManna Aero(マナ・エアロ)、アマゾンのPrime Air(プライム・エア)などがあるが、世界の航空配送市場は巨大だ。北米だけでも、無人機配送の市場は2021年の94億3000万ドル(1兆4000億円)から、2030年までに548億1000万ドル(約8兆2000億円)に成長すると推定されている。
ドロナミクスは、ギリシャからスタートし、地中海の他の地域やアラブ首長国連邦、オーストラリア、そして米国へと拡大する計画だ。「私たちは水上飛行が中心のリスクの少ないルートから始めて、経験を積んでから、より多くのルートに拡大していく計画だ」とRangelovは語った。
(forbes.com 原文)