欧州

2023.10.02 11:00

ウクライナ軍のレオパルト2A6戦車、白昼にロシア軍と接近戦

Karolis Kavolelis / Shutterstock.com

ウクライナはドイツから供与された、わずか21両の砲身の長いレオパルト2A6戦車すべてを第47機械化旅団に配備した。同旅団は、南部ザポリージャ州のロボティネからトクマクを経てロシア占領下にある主要都市メリトポリに至る約80kmにわたる軸に沿って進められているウクライナ軍の反攻を率いている。

第47旅団は6月上旬に、マラトクマチカの南方に広がるロシア軍の第1防衛線への直接の攻撃で重量69トン、乗員4人の2A6を3両失った後、戦車を使った戦術を変えた。それから3カ月間、55口径120mm滑腔砲と昼夜使える高性能の照準装置を搭載した2A6はほぼ夜間に長距離砲を使って戦った。

だがそれは、百戦錬磨の第47旅団が運用する2A6が白昼にロシア軍の陣地に向かって突き進み、砲撃を加えることができないということではない。

まさにそうした白昼の戦闘が最近、メリトポリにのびる軸のどこかで行われた。第47旅団が9月29日にネットに投稿した映像には、戦車と戦闘車両、歩兵によるウクライナ軍の連合部隊と、姿の見えないロシア軍部隊との間で昼間に行われた荒々しい接近戦が映っている。

第47旅団の部隊が砲火を浴びたのは、米国製M2ブラッドレー歩兵戦闘車が、レオパルト2A6と並んで平野を南下していたときだったようだ。映像では、砲撃が爆発する様子が遠くに映り、またロシア軍が放った小火器の弾が撮影者の頭上を飛んでいる。

ロシア軍が樹林帯から機関銃を撃つと、M2は後退してスロープを降ろし、乗り込んでいた歩兵6人が飛び出す。歩兵らはM16自動小銃と対戦車ロケットで武装している。「こっちっだ!」と1人の兵士が叫ぶと、他の兵士らはロシア軍の塹壕だったと思われるところに身を隠すために飛び込む。ある兵士は、ロシア軍は白リン系の焼夷弾を撃っているのだろうと推測する。

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翻訳=溝口慈子

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