米上下両院で最高齢の議員だったファインスタインはここ1年間、帯状疱疹(ほうしん)で3カ月近く休養するなど、健康問題が相次いだため、民主党員の一部からは辞任を求める声が上がっていた。だがファインスタインは辞任を拒否。2月には、2024年末の任期満了をもって引退すると発表していた。
民主党のギャビン・ニューサム・カリフォルニア州知事は今後、ファインスタインの後任として残りの任期を務める人物を任命する。
ファインスタインは1978年、サンフランシスコ市長のジョージ・モスコーニと市政委員のハーベイ・ミルクが暗殺された事件で、政治的な注目を浴びた。ミルクは、同市で初めてゲイであることを公表して公選された人物。当時、市政委員長を務めていたファインスタインは、市庁舎で銃撃を受けたミルクを最初に発見。モスコーニの死去に伴い、新市長へと自動的に就任した。銃規制の推進はファインスタインのライフワークとなり、規制強化を主張する際には自身の個人的な経験にもしばしば言及した。
1992年、バーバラ・ボクサーと共にカリフォルニア州選出上院議員に当選。2人は、同州選出では初の女性上院議員となった。その後、複数の上院委員会で女性初の委員となり、法案可決のために党派の垣根を越えて手腕を発揮する中道派議員として知られた。
1994年に制定された画期的なアサルト武器禁止法では、原案を起草し、修正版の上院可決も推進した。また、上院情報委員会でも重要な役割を果たし、ブッシュ政権時代の尋問・拷問手法に関する報告書の公開を呼び掛けたり、米国家安全保障局(NSA)の機密文書を流出させたエドワード・スノーデンを公に批判したりした。
(forbes.com 原文)