フォーブスの入手した訴訟関連文書によると、アップルは、下級審が行われたカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所にはこうした裁定を下す権限はなかったと主張。さらに、下級審では他の開発者全員が損害を被ったとは認定されておらず、集団訴訟ではなく単独の原告による訴訟が全米のアプリ開発者全体に広く影響を与えることは許されない、などと主張した。
両社の法廷闘争は、2020年に始まった。アップルは、自社端末向けアプリの開発者に対し、アプリ内課金にアップストアの決済システムを使うよう規定した「誘導禁止条項」を設け、手数料として売り上げの30%を徴収している。だが人気ゲーム『フォートナイト』を配信するEpicはこれに反し、独自の決済システムを使用して、アップストアよりも安価なゲーム内課金をユーザーに提供。これを受けアップルは、Epicをアップストアから排除した。
Epicは、アップルがモバイルゲーム市場を独占していると主張し、カリフォルニア州の連邦裁判所に同社を提訴。裁判所は2021年、アップル側の主張の大部分を支持し、同社は市場を独占していないと結論。アップルは今後も、外部システムを通じた課金の禁止と手数料徴収を継続できるとした。
しかし裁判所は同時に、アップルの誘導禁止条項が、不公平な競争を禁止するカリフォルニア州法に違反していると判断し、改善を命令。ただしこの命令は、控訴手続きが行われる間は発効しないものとした。Epicとアップルはいずれも、この判決を不服として控訴。だがサンフランシスコの連邦控訴裁判所は、第1審の判決を支持した。
Epicは27日、最高裁に上告していた。最高裁は1月までに、上告を受理するかどうかを決定する。
(forbes.com 原文)