FRBのパウエル議長は9月20日、インフレを抑えるために必要であれば利上げを続ける用意があると警告。それを受けてダイモンCEOはタイムズ・オブ・インディア紙にこう語った。
「私はビジネス界の人々に、『7%のような事態に備える準備はできているか』と尋ねている。最悪のケースは、7%のスタグフレーションだ。取引量が減り、金利が上がれば、システムにはストレスがかかる。そのようなストレスに備えるよう、われわれの顧客には強く求めている」
FRBによる一連の急速な利上げは、今年初めに起きた銀行危機の一因となり、世界の借入コストのベンチマークである米国債の10年物の利回りを、2007年以来で初めて4.6%を上回る水準に引き上げている。
国債券利回りの高騰はここ数週間の株式市場の重しとなり、ダウやS&P500、ナスダックの最近の上昇を帳消しにしている。
FxProの市場アナリスト、アレックス・クプツィケビッチは「暗号資産が持続的な成長のモメンタムを生み出すためには、銀行問題や政府の支払い能力に関する不確実性が必要だ」と主張。「クリプトは金融のカオスを必要としている」と題した電子メールで、「最近の債券市場の動きは、このようなことが起きつつあることを示している」と述べた。
他の市場ウォッチャーは、さらなる利上げが資産バブルを崩壊させる可能性があると警告している。
ジェイミーソン・クート・ボンドズの投資主任チャーリー・ジェイミーソンは、「世界が7%にも達する金利の引き上げに準備が出来ていないことは明らかだ」とブルームバーグに語った。「その水準では、デフレによる資産の巻き戻しが起こり、多くの資産バブルが崩壊する。単純に、市場はもちこたえられない」
しかし、ビットメックスの元CEOで、伝説的な暗号資産トレーダーであるアーサー・ヘイズは「FRBが利上げを続ければ、ビットコインの価格が上昇する可能性がある」と予測している。
(forbes.com 原文)