医学誌Addictionに9月27日に掲載された論文で、カナダ・カルガリー大学などの研究チームは、大麻使用障害(CUD)のある約3万人の参加者の健康状態を、CUDのない人と比較した。
CUDは、生活や健康に重大な悪影響があるにもかかわらず、大麻を使用し続けている状態で、大麻使用者の約27~34%が罹患しているとされる。論文によると、CUDの成人は、特に過去6カ月間に治療薬を処方されたり、医療サービスを利用していない場合、心血管疾患のリスクが高かった。一見健康な人でも、大麻の過剰摂取によって心血管疾患のリスクが高まるという。
米国での大麻使用は過去10年間で著しく増加しており、5500万人が定期的に大麻を使用していると回答している。大麻は心臓に負担をかけるため、心臓病や心臓発作、脳卒中などの心血管疾患との関連がすでに指摘されていた。
大麻を吸うとその直後から心拍数が上がり、血管が拡張し、心臓のポンプ作用が強くなる。大麻は若年成人の精神衛生上のリスクとも関連している。米疾病対策センター(CDC)によると、18歳以前に大麻を使用した人はCUD発症リスクが高い。
CUDの症状としては、意図した以上に大麻を使用してしまう、やめようとしてもやめられない、家族との重要な予定よりも大麻使用を優先する、離脱症状を経験するなどが挙げられる。CUDは、大麻が合法であるワシントン州で最も発症例が多い。
大麻産業に関するビジネスニュースメディアのMJBizDailyによると、米国人が合法大麻に費やす金額はチョコレートに費やす金額よりも多い。2022年の支出額は、大麻が300億ドル(約4兆5000億円)だったのに対し、チョコレートは200億ドルだった。
(forbes.com 原文)