日本での盛り上がり
クラブ史上、初めて挑むACL。その国内デビューとなった10月4日のブリーラム戦を前にして、甲府は大胆なキャンペーンを展開した。東急田園都市線の渋谷駅地下2階、京王線の新宿駅改札内の2カ所にブリーラム戦の開催を告知する、壁一面の巨大ポスターを設置。スローガンとしてこんな文言を添えたのだ。「Jサポに告ぐ #甲府にチカラを」
甲府のファン・サポーターだけでなく、クラブの垣根を越えてサッカーファンを巻き込もうという甲府の意気込みは伝わった。国立競技場のスタンドには甲府だけでなく、他のJクラブのユニフォームを来たファン・サポーターが集結して甲府を後押ししたのだ。
ブリーラム戦の観客数は1万1802人。あいにくの雨に降られた平日夜の開催だったにもかかわらず、今シーズンのJ2リーグ戦の平均7356人を大きく上回っていた。クラブの垣根を越えたファン・サポーターが、甲府を応援してくれる光景を目の当たりにしたMF長谷川は、試合中に「サッカーっていいな、と思いました」と心を震わせている。
「リーグ戦とはまた違った喜びがありました。平日夜の国立でこれだけのファン・サポーターが入ってくれましたし、光景としては多分ありえない光景なんですけど、他のチームのユニフォームを着たファン・サポーターも大勢見えました。実はどのぐらい入るのかがちょっと心配だったんですけど、最後にゴールを決めたときのスタントが、何て表現したらいいのか……本当に一体になって手拍子してくれたときも、サッカーを通していろいろな人が繋がっていく光景に鳥肌が立っていました」